柿・桜・ジューンベリーの毛虫は、チャドクガとは限りません
川口市・さいたま市で、柿・桜・ジューンベリーなど実のなる木の毛虫のご相談が増えています。
ただ、先にお伝えしておきたいことがあります。
柿・桜・ジューンベリーは、チャドクガがつくツバキ科の木ではありません。
毒のある毛虫をまとめて「チャドクガ」と呼んでしまいがちですが、これらの木で毒のある毛虫を見たら、先に疑うのはドクガやイラガの仲間です。
種類がちがうと、出る時期も、刺されたときの症状も、手を打つタイミングも変わります。
この記事では、実のなる木で見かける毛虫を、チャドクガ・ドクガ・イラガの3つに分けて見分け方をまとめました。
自分で取り除ける範囲と、植木の消毒・毛虫駆除を頼んだほうがいい境目、料金の目安までお伝えします。
チャドクガがつくのは、ツバキの仲間だけ
チャドクガがつくのは、茶・サザンカ・ツバキといったツバキ科の植物です(新潟県の案内より)。
シャラやヒメシャラにも発生すると横須賀市が案内しています。
どれもツバキの仲間ですね。
柿はカキノキ科、桜とジューンベリーはバラ科の木です。
ジューンベリーは4月に花が咲き、6月に実がなるバラ科の木です(神戸市立須磨離宮公園の花図鑑より)。
つまり、柿・桜・ジューンベリーにいる毛虫を見て「チャドクガだ」と決めつけると、見立てがずれてしまいます。
チャドクガの幼虫(ツバキ・サザンカにつく)。写真:Easyman at Japanese Wikipedia/CC BY-SA 3.0/出典:Wikimedia Commons/トリミング・縮小して使用
実のなる木で疑うのは、ドクガとイラガの仲間
ドクガは、サクラ・クヌギ・ウメ・バラ・カキなどの広葉樹につきます(新潟県の案内より)。
イラガの仲間も、サクラ・カキ・ウメ・カエデなどにつきます(さいたま市・名古屋市の案内より)。
柿や桜で毒のある毛虫を見たら、まずこの2つを疑うのが近道です。
ジューンベリーについては、どの毛虫がつくかをまとめた自治体や研究機関の資料を、こちらでは見つけられていません。
ただ、ドクガはサクラ・ウメ・バラなどのバラ科の木にもつくため、同じバラ科のジューンベリーにつくことも考えられます。
種類が分からないうちは、毒のある毛虫として扱うのが安全です。
毛虫は種類ごとに、食べる木がある程度決まっています。
色や毛の模様は、育つにつれて変わるうえ、似たものも多いので、慣れていないと見分けるのは大変です。
一方で「どの木についているか」は、庭に出ればすぐ分かります。
私たち庭師も、現場ではまず木を見て、そこから種類を絞り込んでいます。
チャドクガ・ドクガ・イラガの見分け早見表
3つの毛虫を、つく木・時期・見た目・毒の有無で並べました。
時期は地域や年によって前後します。
| 種類 |
主につく木 |
幼虫を見かける時期 |
見た目 |
触ったとき |
| チャドクガ |
ツバキ・サザンカ・チャ(ツバキ科) |
5〜6月・8〜9月 |
頭を並べて集団でいる |
毒針毛(どくしんもう)で激しいかゆみ |
| ドクガ |
サクラ・ウメ・カキ・バラ・クヌギなど |
夏〜秋にふ化し、幼虫のまま冬越し。 翌春また活動 |
冬越しの頃は体長11〜12mmほどで淡い褐色に黒。 育つと黒とオレンジ |
毒針毛でかゆみ・炎症 |
| イラガの仲間(ヒロヘリアオイラガなど) |
サクラ・カキ・ウメ・カエデ・ケヤキ・キンモクセイ・クリ・ビワなど |
初夏〜秋に年2回(ヒロヘリアオイラガ) |
黄緑色で背中に青い線。 ナマコのような形でトゲがある |
トゲで強い痛み |
チャドクガの時期は横須賀市、ドクガは新潟県と札幌市、イラガの仲間はさいたま市・名古屋市の案内をもとにしています。
チャドクガ:ツバキ科の木で、頭を並べて群れている
幼虫が出るのは5〜6月と8〜9月です(横須賀市の案内より)。
卵で冬を越し、4月にふ化します(新潟県の案内より)。
葉の裏に頭をそろえて並んでいる姿が特徴です。
柿・桜・ジューンベリーの庭でも、近くにツバキやサザンカの生け垣があれば、そちらにいる可能性はあります。
ドクガ:秋は小さいうちに群れで冬越しの準備
夏から秋にかけて卵からかえり、幼虫のまま冬を越します。
冬越しのときは、落ち葉の裏や根元にクモの巣のような袋をつくり、その中で数十匹がまとまっています(新潟県の案内より)。
育つと黒とオレンジの2色になり、側面にオレンジ色の線が入ります(札幌市の案内より)。
卵のかたまり・幼虫・さなぎ・メスの成虫と、オスの成虫を除くすべての段階で毒針毛を持っています(新潟県の案内より)。「小さいから大丈夫」とはならない毛虫です。
イラガの仲間:葉の裏の黄緑色、触ると強い痛み
さいたま市では、イラガの仲間のうちヒロヘリアオイラガが多く発生していると案内されています。
幼虫は初夏から秋にかけて年2回出て、サクラ・カエデ・ケヤキ・キンモクセイ・カキ・ウメ・クリ・ビワなどの葉を食べます。
体の突起の先にトゲがあり、触ると強い痛みをともなう皮膚炎を起こします(さいたま市の案内より)。
葉の裏に手を入れた瞬間に「痛っ」となるのが、よくあるパターンです。
マユはなめらかな長円形で、名古屋市の案内では「スズメの小便つぼ」とも呼ばれると紹介されています。
桜では、晩夏から秋にかけてモンクロシャチホコ、いろいろな木を食べるアメリカシロヒトリも見かけます。
どちらも毒はありませんが、葉を食べる量が多く、放っておくと枝がスカスカになります。
色で絞りたいときは、黒い毛虫・白い毛虫・緑の毛虫の見分け方もあわせてご覧ください。
写真を送っていただければ、無料でお見積りします
お庭の木や生垣をスマホで撮って、LINEで送ってください。写真を見て、作業の内容と概算をお伝えします。
秋(9〜11月)に実のなる木で見かける毛虫の変化
同じ柿の木・桜の木でも、秋のうちに見かける毛虫は入れ替わっていきます。
月ごとの目安をまとめます。
9月:イラガの仲間の2回目が見つかりやすい
さいたま市で多いヒロヘリアオイラガは初夏から秋に年2回出るので、9月ごろは2回目の幼虫に出くわしやすい時期です。
柿の収穫や、桜の落ち葉掃除の前に、葉の裏を一度のぞいておくと安心です。
収穫前の柿の木にイラガが出たときの対処は、収穫前の柿の木にイラガが出たらで詳しくまとめています。
10〜11月:ドクガは小さいまま冬越しの準備に入る
ドクガは秋のうちはまだ小さい幼虫で、落ち葉の裏や根元で群れのまま冬越しに入ります。
この時期は目立たないぶん、見落としやすいのが困るところです。
落ち葉をかき集めるときに、素手で袋のようなかたまりに触れないよう注意してください。
柿の木。実のなる木は、ドクガやイラガの仲間がつきやすい木でもあります
翌年5〜6月:ドクガの被害がいちばん目立つ
冬を越したドクガは、春に再び葉を食べはじめ、被害がいちばん目立つのは5〜6月です(公益社団法人 農林水産・食品産業技術振興協会より)。
秋に「小さい毛虫が群れていた」木は、翌春に大きく育った毛虫が出てくる木かもしれません。
秋のうちに気づいておくと、春の手の打ち方が変わります。
ジューンベリーは、実を取ったあとの葉にも目を配る
ジューンベリーは6月に実がなる木です。
実を摘み終わると、夏から秋は葉の様子を見る機会が減りがちです。
秋に葉が不自然に透けていたり、葉の裏に小さな虫が並んでいたりしたら、毛虫を疑ってみてください。
見つけたときにやってはいけないこと
毒のある毛虫は、見つけたあとの動き方で、かぶれるかどうかが変わります。
次の4つは避けてください。
素手で触る・枝をゆすって落とす
ドクガやチャドクガの毒針毛は、目に見えないほど細かい毛です。
直接触れなくても、風で飛んだ毒針毛で皮膚炎を起こすことがあります(新潟県の案内より)。
枝をゆすったり、棒ではたき落としたりすると、毛を周りにまき散らすことになります。
殺虫剤をかけて、そのままにする
毒針毛は、死んだ毛虫にも残ります。
薬で倒したあとも素手では触らず、枝や葉ごと袋に入れて処分してください。
近くに洗濯物を干したままにする
屋外に干してある衣服に毒針毛がつくことがある、と横須賀市が注意を呼びかけています。
毛虫のついた木のそばに物干しがあるお宅は、駆除が終わるまで干す場所を変えると安心です。
実を食べる木に、手元の薬をそのまままく
植物に薬をまくときは、その植物に登録のある農薬(ラベルにその木の名前が書かれた薬)を使うことが決められています(新潟県の案内より・農薬取締法)。
柿やジューンベリーのように実を食べる木は、使える薬か、収穫の何日前まで使えるかを、ラベルで確かめてからにしてください。
実のなる木ごとの注意点は、実のなる庭木の毛虫と消毒にまとめています。
かぶれてしまったら
こすらずに、粘着テープで毒針毛をそっと取り除き、流水で洗い流します(新潟県の案内より)。
かゆみや腫れが広がるときは、皮膚科を受診してください。
料金の目安だけ、先に知りたい方へ
質問に答えるだけで、剪定の料金の目安がわかります。金額を見てから、ご相談するか決めていただけます。
自分で枝ごと切り取れる範囲
群れが小さいうちなら、ご自分で取り除けることもあります。
目安は「足元から手が届く高さで、群れが1〜2か所に固まっている」ときです。
小さく固まっているうちに、枝ごと袋へ
幼虫がまだ小さくかたまっているうちに、枝ごと切り取り、逃げ出さないようポリ袋に入れて口を閉じ、燃やすごみに出します(新潟県の案内より)。
袋を切り口の下に広げておき、切った枝がそのまま袋に落ちるようにすると、毛虫が散らばりません。
服装は長袖・手袋・マスク
長袖・長ズボン・手袋・マスクで、肌を出さないようにします(新潟県の案内より)。
作業のあとは、着ていた服をほかの洗濯物と分けて洗うと安心です。
幼虫が大きくなって木全体に広がった場合は、薬の散布が必要になると新潟県は案内しています。
実のなる木では使える薬が限られるので、この段階ならご自分で抱え込まず、相談していただくほうが確実です。
桜の木。写真:掬茶/CC BY-SA 4.0/出典:Wikimedia Commons/トリミング・縮小して使用
植木の消毒・毛虫駆除を頼んだほうがいい境目と料金
頼んだほうがいい境目
次のどれかに当てはまったら、無理をしないほうがいいと思います。
- 脚立に乗らないと届かない:上を見ながら枝を切ると、切った枝や毛虫が真上から落ちてきます
- 木全体や、何本もの木に広がっている:枝を切るだけでは追いつきません
- 実を食べる木で、薬が必要そう:使える薬と時期の見極めが要ります
- ドクガかイラガか分からず、家族に肌の弱い人や小さな子どもがいる
桜の毛虫で迷ったときは、桜の木の毛虫の見分け方と駆除の目安もあわせてご覧ください。
私たちに頼んだ場合の料金の目安(税込)
- 植木の消毒:1本2,200円〜(税込)(木の高さで変わります)
- 毛虫の駆除:3,300〜11,000円(税込)(お急ぎの対応もご相談ください)
- 庭全体の消毒(〜10本):16,500〜33,000円(税込)
- 剪定と消毒を同時に行うと15%OFFのセット料金
- 脚立・高所作業車が必要な場合:+5,500円〜(税込)
切った枝葉は回収して持ち帰りますが、量が多い場合は運搬・処分料(3,300円〜(税込)/量に応じて)を別途申し受けます。
見積りは無料です。
作業の内容と料金は、植木の消毒・毛虫駆除のご案内でも確認できます。
秋の消毒は、来年の春のため
消毒に向いている時期は、春(4〜5月)と秋(9〜10月)です。
ドクガのように幼虫で冬を越す毛虫は、秋のうちに数を減らしておくと、翌年5〜6月の被害を抑えやすくなります。
柿の収穫や、ジューンベリーの実を楽しみにしているお宅ほど、秋のうちに一度木を見ておく価値があります。
よくある質問
Q. 柿の木にいる毛虫は、チャドクガですか?
チャドクガがつくのはツバキ・サザンカ・チャなどのツバキ科の木で、柿はツバキ科ではありません。
柿ではドクガやイラガの仲間を疑ってください。
どちらも毒があるので、素手では触らないでください。
Q. ジューンベリーには、どんな毛虫がつきますか?
ジューンベリーにつく毛虫の種類をまとめた自治体・研究機関の資料は、こちらでは確認できていません。
サクラやウメと同じバラ科の木なので、サクラ・ウメ・バラなどにもつくドクガがつくことは考えられます。
種類が分からないうちは毒があるものとして扱い、写真を撮って相談していただくのが確実です。
Q. イラガに刺されたら、どうなりますか?
トゲにさわると強い痛みをともなう皮膚炎を起こしますが、症状は数日で治るとさいたま市が案内しています。
痛みや腫れが強いとき、広がるときは皮膚科を受診してください。
Q. 冬になれば、毛虫はいなくなりますか?
姿は見えにくくなりますが、いなくなるわけではありません。
ドクガは幼虫のまま群れで冬を越し、アオイラガはさなぎで冬を越します(名古屋市の案内より)。
春に再び出てくる前に、秋のうちに手を打っておくのがおすすめです。
Q. 川口市に連絡すれば駆除してもらえますか?
川口市は市として駆除は行っておらず、専門業者(有料)への依頼を案内しています。
ご自宅の庭木は、ご自分で対処するか、業者に頼むかになります。
Q. 秋の毛虫の種類を、もっと広く知りたいです。
9月・10月に庭木で見かける毛虫は、秋の毛虫の種類と見分け方でまとめています。
木の種類から探したいときは、毛虫がつきやすい庭木一覧が便利です。
お庭のこと、まずはお気軽にご相談ください
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トップ写真:イラガの幼虫(撮影:Pan Z, Zhu C, Wu C/CC BY 3.0/出典:Wikimedia Commons/トリミング・縮小して使用)