桜の木は、秋の毛虫がいちばん集まりやすい木のひとつです
「桜の枝に、黒い毛虫がびっしり並んでいる」「桜の葉が、数日でスカスカになった」
9月に入ると、川口市のお庭でこうしたご相談が一気に増えます。
毛虫がつく木は、虫の種類ごとにだいたい決まっています。
そのなかでサクラは、何種類もの毛虫の好物に重なっている木です。
しかも秋は、そのうちいくつかの幼虫が出る時期が重なります。
この記事では、9月・秋に桜の木で見かける毛虫を4種類に絞って、見た目の色・出る時期・毒の有無を早見表にしました。
見つけたときにやってはいけないこと、自分で切れる範囲と業者に頼む境目、料金の目安までまとめています。
桜の木につく毛虫の早見表
時期は目安です。
年や場所によってずれることがあります。
| 種類 |
見た目の色 |
幼虫が出る時期 |
毒の有無 |
| モンクロシャチホコ |
小さいうちは赤褐色。 育つと紫黒色の体に白っぽい毛 |
年1回。8月下旬〜9月 |
毒はない |
| アメリカシロヒトリ |
育つにつれて白い毛が生え、全体が白っぽい |
5〜7月と8〜9月 |
毒はない |
| イラガ類 |
黄緑色(イラガ・ヒロヘリアオイラガ) |
7〜8月から10月ころ |
トゲに触れると激しい痛み |
| ドクガ |
黒色とオレンジ色の2色 |
年1回。 秋に育って冬を越し、被害は翌5〜6月 |
毒針毛あり。 成虫にもある |
(出典:多摩市・国立市・葛飾区〈モンクロシャチホコ〉、青森市・弘前市〈アメリカシロヒトリの見た目〉、名古屋市・さいたま市・横須賀市〈イラガ類〉、札幌市〈ドクガの見た目〉、公益社団法人 農林水産・食品産業技術振興協会〈発生時期・食べる木・毒〉の公開情報)
サクラには、このほかにも春のオビカレハ・マイマイガ・クスサンなどがつきます。
ただ、9月・秋に目に入るのは、ほぼ上の4種類です。
写真を送っていただければ、無料でお見積りします
お庭の木や生垣をスマホで撮って、LINEで送ってください。写真を見て、作業の内容と概算をお伝えします。
4種類の見分けどころ
モンクロシャチホコ:9月の桜の毛虫は、まずこれ
多摩市は「8〜9月頃にサクラにつくケムシは、ほとんどがモンクロシャチホコ」と案内しています。
サクラ・ナシ・ウメなど、バラ科の木が好物です。
若いうちは赤褐色で群れていて、育つと紫黒色の体に白っぽい毛が生えます(葛飾区の案内より)。「黒い毛虫が枝にずらっと並んでいる」というご相談は、たいていこの虫です。
毒はなく、直接触っても問題ないと多摩市・国立市が案内しています。
ただ、食べる量がとても多く、放っておくと木が丸坊主になることもあります。
それに、見た目だけでドクガやイラガの仲間と見分けるのは、慣れていないと難しいものです。
名前がはっきりするまでは、素手で触らないでください。
アメリカシロヒトリ:葉が白く見える枝があったら
サクラ・ヤナギ・カキなど百数十種の木を食べる毛虫で、幼虫は5〜7月と8〜9月に出ます。
若いうちは、葉に糸を張ったクモの巣のような袋の中に集まっています。
葉が白く見える枝があれば、そこが見つけどころです(青森市・弘前市の案内より)。
毒はありません。
ただ、群れているチャドクガと見間違えられることがあるので、ツバキやサザンカの近くの毛虫は用心してください。
イラガ類:葉の裏の黄緑色の毛虫は触らない
イラガは黄緑色で、背中に褐色の模様があります(名古屋市の案内より)。
ヒロヘリアオイラガは黄緑色で、背中に青い線の模様が入ります(さいたま市の案内より)。
どちらもサクラの葉を食べます。
トゲが毒腺につながっていて、触れると電気が走るような激しい痛みが出ます。
イラガの幼虫は7〜8月から10月ころまで出るので、10月の桜でも油断できません。
葉の裏に手を入れた瞬間に「痛っ」となるのが、いちばん多いパターンなんです。
ドクガ:秋は小さくても、毒針毛はある
サクラ・ウメ・バラ・カキなどを食べる、年1回発生の毛虫です。
秋のうちに中くらいの大きさまで育ち、そのまま冬を越します。
いちばん被害が目立つのは翌年の5〜6月です。
毒針毛の数はチャドクガよりも多く、症状も重くなりやすいとされています(公益社団法人 農林水産・食品産業技術振興協会より)。
秋の桜で黒とオレンジの毛虫を見かけたら、決して触らないでください。
見つけたときにやってはいけないこと
自分でやって失敗しやすいのは、次の3つです。
- 素手や軍手で触る・つまむ:毒針毛は細かく、目の粗い手袋では防ぎきれないことがあります
- ほうきや棒で払い落とす:地面に落ちた虫は散らばり、片付けで触ってしまいます
- 見上げて殺虫剤を吹きかける:落ちてくる虫や薬が、顔や首元にかかります
もうひとつ、桜ならではの注意があります。
毛虫がついているからと、太い枝をまるごと切り落とすことです。
桜は太い枝の切り口がふさがりにくく、そこから木が弱ることがあります。
切るのは、毛虫がついた葉と細い枝までにしておいてください。
自分で枝ごと切れる範囲と、業者に頼む境目
若い幼虫は群れで固まっているので、この時期に葉や枝ごと切り取るのが効果的です(目黒区の案内より)。
枝の下にビニール袋を広げてから切り、そのまま袋に落とし込んで口を縛ります。
ご自分でやっていいのは、こんなときです。
- 地面に立ったまま、手の届く高さに群れがある
- 群れが1〜2か所で、切るのは細い枝や葉だけで済む
- 長袖・長ズボン・帽子・メガネ・手袋で、肌を出さずに作業できる
反対に、次のどれかに当てはまったら業者に任せたほうが安全です。
- 脚立に乗らないと届かない。
上を見ながらハサミと袋を持つのは危ないです
- 群れが木の上のほうにあり、切った枝や虫が真上から落ちてくる
- 木全体に広がっていて、枝を切るだけでは追いつかない
- ドクガやイラガかもしれず、家族に肌の弱い方や小さなお子さんがいる
ちなみに、川口市は市として害虫の駆除は行っておらず、専門業者(有料)への依頼を案内しています。
料金の目安だけ、先に知りたい方へ
質問に答えるだけで、剪定の料金の目安がわかります。金額を見てから、ご相談するか決めていただけます。
川口市で頼む場合の料金の目安
私たちの料金表から、桜の毛虫に関係するものを抜き出すと次のとおりです。
- 毛虫・チャドクガ駆除:3,300〜11,000円(緊急対応可)
- 消毒・害虫駆除 1本(単木):2,200〜5,500円(樹高により変動)
- 消毒・害虫駆除 庭全体(〜10本):16,500〜33,000円
- 剪定と消毒を同時に行う場合:15%OFFのセット料金
- 脚立・高所作業車が必要な場合:+5,500円〜
切った枝葉は回収して持ち帰ります。
量が多い場合は、運搬・処分料(3,300円〜/量に応じて)がかかります。
お見積りの金額には、運搬・処分料まで含めてお伝えしています。
見積りは無料です。
桜は高さがある木が多く、同じ毛虫でも作業の手間が大きく変わります。
LINEで、木全体が入る写真と毛虫のついた枝のアップを送っていただければ、概算をお伝えできます。
写真の撮り方はこちらの記事にまとめています。
毛虫が落ち着いたら、冬の剪定で来年に備える
毛虫の片付けで細い枝を落とすのは、あくまで応急処置です。
桜の本格的な剪定は、葉が落ちた11〜2月が適期になります。
混み合った枝を冬のうちに整えておくと、翌年の毛虫も見つけやすくなります。
時期と切り方は、桜の剪定時期の記事で詳しくお伝えしています。
家の近くの桜の大木に毛虫が出て、持ち主が分からないとき
ご相談で多いのが、自分の庭の木ではなく、敷地のすぐ外に立っている桜の大木に毛虫が出ているケースです。
空き地や空き家の桜、道路ぎわの古い桜から、毛虫が塀を越えて庭や洗濯物、車の上に落ちてくる。
けれど、その木が誰のものか分からず、どこに言えばいいのか分からないまま季節が過ぎてしまう、というお話をよく伺います。
まず、誰の木なのかを確かめる
木は、原則としてその木が立っている土地の持ち主のものです。
次の順に当たると、たいていは連絡先にたどり着けます。
- 道路の街路樹や公園の木なら、市役所など道路・公園を管理している役所に連絡する
- お隣や向かいのお宅の木なら、まずは直接ひと声かける。
言いにくければ、町会や自治会の方に間に入ってもらう
- 空き地・空き家の木で持ち主が分からないときは、法務局で土地の登記事項証明書を取ると、登記上の持ち主の名前と住所が分かる。
登記事項証明書は、持ち主でなくても請求できます
集合住宅や会社の敷地の木なら、管理会社や総務の窓口が相手になります。
どの場合も、いつ・どこに・どのくらい毛虫が落ちてきているかを写真に残しておくと、話が早く進みます。
持ち主の了解なく、他人の木に薬をまいたり枝を切ったりしない
自分の敷地に落ちてきた毛虫を片付けたり、自分の庭木についた毛虫を駆除したりするのは問題ありません。
一方で、よその木そのものに薬をまいたり、枝を切ったりするのは、持ち主の了解が必要です。
2023年4月に施行された改正民法233条で、境界を越えて伸びてきた枝の扱いが変わりました。
枝はこれまでどおり持ち主に切ってもらうのが原則ですが、次のいずれかに当たるときは、越えてきた枝を自分で切り取れるようになっています。
- 持ち主に切ってほしいと伝えたのに、相当の期間がたっても切ってもらえないとき
- 持ち主が分からない、または持ち主の居場所が分からないとき
- 急いで切らなければならない事情があるとき
自分で切れるのは、あくまで境界を越えてきた枝の部分だけです。
木全体の消毒や、境界の内側に残る枝の剪定まではできません。
毛虫の出どころが木の上のほうにある大木だと、越えた枝を落としても毛虫は落ち続けるので、結局は持ち主の方に手入れをお願いすることになります。
桜の大木は、倒木や枝折れのリスクも抱えている
毛虫だけでなく、古い桜には倒木や枝折れのおそれもあります。
桜は太い枝の切り口がふさがりにくく、そこから木を腐らせるキノコの仲間(木材腐朽菌)が入り込みやすい木です。
外から見ると普通に葉をつけていても、幹の中が空洞になっていて、風の強い日に太い枝が折れることがあります。
道や庭から見上げて、次のようなサインがあれば要注意です。
- 根元や幹にキノコが出ている
- 幹や根元に穴や空洞がある
- 葉のつかない枯れ枝が残っている
- 幹がこちら側に傾いてきた
民法717条2項では、木の植え方や支え方に問題があって他人に損害を与えた場合、その木を管理している人や持ち主が責任を負うと定めています。
持ち主の方にとっても、放っておくほど困る話です。
見方は倒れそうな木の危険サインの記事に、桜を切る時期と切り方は桜の剪定時期の記事にまとめています。
見積書を用意して、持ち主に剪定を勧めるのもひとつの方法
持ち主が分かっても、「毛虫が落ちてきて困っています」とだけ伝えると、相手も何をどこまですればいいのか、いくらかかるのか分からず、話が止まりがちです。
そこで、どの枝をどう切ればよいか、消毒も合わせるか、おおよそいくらかかるかを書いた見積書を添えてお願いすると、持ち主の方も判断しやすくなります。
トムズでは、ご依頼いただいた方の敷地や道路から見える範囲で桜の様子を見て、お見積りをお作りできます。
お見積り・出張費はいただいていません。
作業の範囲と金額は、持ち主の方の了解を得てから敷地の中を確かめて確定させます。
費用をどなたが持つかは持ち主の方とのお話し合いになりますが、「この金額でこの手入れができる」という材料があるだけで、話は前に進みやすくなります。
LINEで、桜の木全体が入る写真と、毛虫が落ちてくる場所の写真を送っていただければ、まずはおおよその内容をお伝えします。
よくある質問
Q. 桜の木の黒い毛虫は、毒がありますか?
A. 9月の桜で群れている黒っぽい毛虫は、モンクロシャチホコであることが多く、毒はないと案内されています。
ただ、黒とオレンジの2色ならドクガの可能性があり、こちらは毒針毛を持っています。
見分けがつかないうちは、毒があるものとして扱ってください。
Q. 桜の毛虫はいつまで出ますか?
A. モンクロシャチホコは8月下旬〜9月が中心です。
イラガは10月ころまで出るので、10月に入っても葉の裏には気をつけてください。
時期は年や場所によってずれます。
Q. 毛虫を減らすために、桜を強く切ってもいいですか?
A. おすすめしません。
桜は太い枝の切り口がふさがりにくく、葉がある時期に太い枝を切ると、そこから木が弱ることがあります。
毛虫の対処は葉と細い枝まで、太い枝の整理は落葉後の冬に回してください。
Q. 隣の桜の枝がこちらに伸びて毛虫が落ちてきます。勝手に切ってもいいですか?
A. 原則は、木の持ち主に切ってもらいます。
2023年4月からは、持ち主に伝えても相当の期間切ってもらえないとき、持ち主が分からないとき、急ぐ事情があるときに限り、境界を越えてきた枝を自分で切れるようになりました。
切れるのは越えてきた部分だけで、木全体の消毒や剪定は持ち主の了解が要ります。
まずは持ち主を確かめ、見積書を添えて手入れをお願いするのが、いちばん揉めにくい進め方です。
Q. 刺されたり、かぶれたりしたときは?
A. こすらず、セロテープを軽く押し当てて毛を取り、流水で洗い流してください。
症状が広がってきたら皮膚科を受診しましょう(目黒区・世田谷区の案内より)。
参照:多摩市「モンクロシャチホコ」/国立市/葛飾区(モンクロシャチホコ)/青森市・弘前市(アメリカシロヒトリ)/名古屋市(イラガ)/さいたま市(ヒロヘリアオイラガ)/札幌市(ドクガ)/公益社団法人 農林水産・食品産業技術振興協会「庭の刺す毛虫・刺さない毛虫」(アメリカシロヒトリ・イラガ・ドクガ)/目黒区・世田谷区(毛虫の駆除・かぶれたとき)/川口市「よくある質問(害虫の駆除)」
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トップ写真:モンクロシャチホコの幼虫(撮影:KENPEI/CC BY-SA 3.0/出典:Wikimedia Commons/トリミング・縮小して使用)