台風が通り過ぎた翌朝。
庭に出たら、木が根元から傾いていた。
太い枝が屋根の上に乗ったまま止まっている。
カーポートの屋根を突き破って枝が刺さっている。
——川口市でお庭の仕事をしていると、大きな台風のあとは決まってこういうご相談が続きます。
そこで多くの方が最初に考えるのが「とりあえず自分で片付けよう」なんですよね。
気持ちはよく分かります。
ただ、台風で倒れた木や折れた枝は、普段の庭仕事とはまったく別物です。
今回は、私たちが現場で見てきたことをもとに、自力処理が危険な理由、業者に連絡する前にやっておくと話が早い準備、当日の動き、そして費用の考え方まで整理してお伝えします。
台風で倒れた木・折れた枝を自分で片付けるのが危険な理由
「枝が折れただけだから」と軽く見られがちなんですが、台風後の倒木は、平常時の伐採より圧倒的に事故が起きやすい状態にあります。
理由は大きく3つ。
1. 電線に触れている枝は絶対に触らない
これが最優先です。
倒れた木や折れた枝が電線・引込線に触れている、あるいは電線が垂れ下がっている場合、絶対に近づかないでください。
木は水を含んでいます。
乾いた木材と違って、雨に濡れた生木は電気を通します。
「木だから大丈夫」は通用しません。
さらに怖いのが、停電が復旧したタイミング。
損傷した配線に電気が戻ることで発熱・出火につながる火災は、災害後に実際に報告されている現象です。
停電しているから安全、ではないんです。
電線がらみは私たち庭師の仕事の範囲外。
この場合はまず電力会社(東京電力パワーグリッド)の緊急連絡窓口へ。
私たちも、電線に接触している案件は必ず電力会社の処置が済んでから作業に入ります。
2. 「倒れた木」はまだ動いている途中かもしれない
これ、本当に多いんです。
完全に地面に横たわっている木より、途中で止まっている木のほうが危ない。
フェンスに引っかかって斜めになっている木、屋根に寄りかかっている幹、隣の木に絡んで宙に浮いている枝。
こういう木は、根がまだ半分土に残っていたり、繊維が一部つながっていたりして、内部に強い力がかかったまま静止しています。
そこにノコギリを入れると、切った瞬間に力が解放されて、木が予想と真逆の方向に跳ねる。
倒れかけの木を切っていて幹が跳ね上がり、脚立ごと持っていかれる——プロでもヒヤリとする場面です。
宙に浮いた枝は「切ったら落ちる」のではなく「切ったら振り回される」と考えたほうがいい。
3. チェーンソーは倒木相手だと難易度が跳ね上がる
ホームセンターで買えるチェーンソーやレシプロソーで、なんとかしようとされる方もいます。
ただ、張力がかかった木にチェーンソーの刃先を当てると、刃が弾かれて自分に向かって跳ね返ってくる「キックバック」が起きやすい。
防護ズボンもヘルメットもなしで、しかも足場が濡れた土の上。
条件としては最悪に近いですね。
自分でやって失敗するケースで一番多いのが、「細い枝だけ落とすつもりが、途中で幹が動いて手に負えなくなった」というパターン。
中途半端に手を入れた木は、私たちが後から入っても作業が難しくなります。
触らずに置いておくのが、結果的にいちばん安く早いんです。

業者に連絡する前に撮っておきたい写真と、確認しておく先
お客様から「何を伝えればいいですか」とよく聞かれます。
台風のあとは電話が集中するので、この4カットがあると見積りも段取りもぐっと早く進みます。
- 全体が入る引きの写真:木がどこからどこへ倒れているか。
家との位置関係が分かる角度で
- 幹の根元のアップ:太さの目安になるもの(ペットボトル、スリッパなど)を横に置いて撮ると精度が上がります
- 被害箇所のアップ:屋根、カーポート、フェンス、隣家との境界など
- 搬出経路:庭から道路まで、何メートルくらいで、途中に階段や門扉があるか
そして、業者より先に連絡したほうがいい先があります。
- 電力会社:電線に接触している、垂れ下がっている場合。
最優先
- 加入している火災保険の会社:火災保険には風災の補償が付いていることが多く、台風による倒木の撤去費用が対象になる場合があります。
ただし条件は契約ごとに違うので、必ず自分の証券で確認を。
ここで「片付ける前の写真」が効いてきます。
撤去してしまうと被害の証明が難しくなるので、撮影は先
- 川口市の道路担当窓口:木が道路や歩道にはみ出して通行の支障になっている場合
- お隣:自宅の木が隣地へ倒れた場合。
自然災害による倒木は状況によって責任の扱いが変わるので、感情的なこじれを防ぐ意味でも、まず一報と保険会社への確認を
先日、川口市内で作業させていただいたお宅では、奥様が朝いちばんに全体写真を10枚ほど撮っておられて、保険の手続きも撤去もそのまま流れるように進みました。
あれは本当に助かりましたね。
ご依頼から撤去完了までの当日の流れ
「呼んだらその日に終わるの?」という点も気になるところだと思います。
実際の動きはこんな感じです。
1. お電話・メールでご連絡
状況を口頭で伺い、写真を送っていただきます。
緊急度の判定はここ。
電線がらみ、人が通る場所を塞いでいる、屋根に乗っているといった案件は優先度を上げます。
2. 現地確認とお見積り(無料)
台風直後は道路事情も読めないので、到着時間は幅を持ってお伝えしています。
現地では、木の状態だけでなく搬出経路も一緒に確認。
ここで金額をご提示し、ご納得いただいてから着手します。
3. 危険な部分から段階的に処理
いきなり根元は切りません。
屋根や隣家に近い枝から順に、上から少しずつ落として木を軽くし、幹が動かない状態を作ってから根元に入ります。
倒れかけの木ならロープで引き方向を固定することも。
だいたい3〜4mの木で、状況が素直なら半日ほど。
屋根に乗っている、隣家との隙間が狭いといった条件が重なると、1日仕事になることもあります。
4. 玉切り・搬出・清掃
運び出せるサイズに切り分けて搬出し、葉や細かい枝も掃いてお返しします。
「木を切ったあとのほうが庭が散らかっていた」では意味がないので、ここは丁寧に。
5. 根の処理をどうするか相談
倒れた木の根が残る場合、そのままにするか抜くか。
切り株を残すとシロアリの温床になることがありますし、種類によっては根っこごと抜かないとまた生えてきます。
ここは費用にも関わるので、その場でご相談を。

撤去費用は何で変わるのか
台風の倒木撤去は「1本いくら」と一律に決めにくい作業です。
同じ高さの木でも、条件次第で手間が3倍違う。
判断材料になるのは主に次の3つです。
| 条件 |
費用が抑えやすいケース |
費用が上がりやすいケース |
| 木の太さ・高さ |
幹の直径が細く、脚立の高さで届く |
幹が太く重量がある、高所作業になる |
| 倒れた場所 |
庭の中で完結し、周囲に何もない |
屋根・カーポート・フェンス・隣地に掛かっている、電線が近い |
| 搬出経路 |
庭からトラックまで一直線で運べる |
裏庭から手運び、階段や狭い通路を通る、道路に停車スペースがない |
| 木の量 |
1本のみ、枝葉も少ない |
複数本、枝葉が大量に出る |
特に見落とされがちなのが搬出経路。
切ること自体は30分でも、そこから道路まで人力で50m運ぶとなれば、そちらのほうが時間がかかります。
写真で経路を送っていただきたいのは、この部分の精度を上げるためなんです。
切った木の処分について
私たちは、切った枝葉・伐採木を回収して持ち帰ります。
ただし量が多い場合は運搬・処分料(3,000円〜/量に応じて)を別途申し受けます。
台風の倒木は、通常の剪定(1本3,000円〜)と比べて出る量が桁違いになりやすいので、この点は先にご説明するようにしています。
他社さんに相談される場合も、見積書に処分費が含まれているかどうかは必ず確認してください。
「作業費一式」とだけ書かれていて、終わってから処分費が加算されるのはよくある行き違いです。
総額でいくらになるのかを、着手前に文字で残しておく。
これは業者を選ぶうえで大事なポイントだと思います。

台風後によくいただくご質問
Q. 台風直後はすぐに来てもらえますか?
大きな台風の直後は、川口市内だけでもご依頼が一気に集中します。
正直、通常どおりとはいきません。
ただ、電線に触れている、道路を塞いでいる、屋根に乗ったままといった危険度の高い案件は優先して動きます。
まずはご連絡ください。
緊急性の判断だけでもお伝えできます。
Q. 撤去費用は火災保険で下りますか?
火災保険の風災補償に加入していれば、対象になる可能性があります。
ただし免責金額の設定や契約内容によって扱いが変わるため、最終的な判断は保険会社次第です。
確実に言えるのは、撤去前に写真を撮っておくこと。
片付けたあとでは被害状況を証明できず、そこで話が止まってしまうケースを何度も見てきました。
Q. 隣の家の木が倒れてきました。どうすれば?
まずは写真です。
倒れた状態、被害箇所、日時が分かる形で記録を。
そのうえでご自身の保険会社に相談されるのが現実的だと思います。
自然災害による倒木は状況によって責任の考え方が変わりますし、当事者同士だけで話すとこじれやすい。
撤去作業についても、費用を誰が負担するのかが決まってからのほうがスムーズです。
Q. 傾いただけで倒れていない木も見てもらえますか?
むしろ、その段階でご相談いただきたいですね。
台風で傾いた木は、根が持ち上がって支持力を失っていることが多く、次の強風で完全に倒れます。
「この木、もう切りどきですね」とお伝えすることもあれば、支柱で立て直せる場合もある。
倒れてからだと選択肢が減ってしまうんです。
Q. 対応してもらえるエリアは?
川口市を中心に、戸田市、蕨市、草加市、さいたま市南区・緑区で承っています。
お見積りは無料です。
台風のあとは、まず写真を撮ってからご連絡を。
それだけで、その後の流れがずいぶん変わります。
お庭のこと、まずはお気軽にご相談ください
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トップ写真:川口市・見沼代用水東縁(撮影:tak1701d/CC0/出典:Wikimedia Commons)