「うちの庭木、台風で倒れたりしないかな」。夏が近づくと、川口市のお客様からこの相談がぐっと増えます。実は、台風による庭木の被害は直前の対策ではほぼ防げません。勝負は台風が来る前の剪定です。
私たちは川口市を中心に庭木の剪定を行っている庭師です。この記事では、なぜ「枝すかし」が倒木や枝折れを防ぐのか、その理由と費用相場を現場の目線でお話しします。

台風で庭木が倒れる本当の原因は「枝葉の密度」
意外と知られていないのですが、台風で木が倒れるかどうかを決めるのは、幹の太さよりも枝葉の茂り具合です。
葉がびっしり茂った木は、風から見ると1枚の大きな帆のようなもの。ヨットが帆で風を受けて進むのと同じ理屈で、茂った樹冠は風の力をまともに受け止めてしまいます。受け止めきれなくなった力は幹や根元に集中し、枝折れ、幹折れ、最悪の場合は根ごと倒れる「根返り」につながります。
逆に、枝の間を風がすり抜けられる木は、同じ強さの台風でも受ける力が段違いに小さくなります。だから私たち庭師は、台風前のお庭を見るとまず「風の抜け道があるか」を確認するんです。
特に注意したい庭木
- シマトネリコ:成長が早く、1年で枝葉がぎっしり茂ります。根が浅めで倒木の相談が多い木です
- ゴールドクレスト:根の張りが浅く、背が高くなると台風で傾きやすい代表格
- カイヅカイブキ:生垣に多い木ですが、内部まで枝が密になり風をまともに受けます
- 枯れ枝が混じった木:枯れ枝は生きた枝より軽い力で折れ、飛散物になります
川口市は住宅同士の距離が近いエリアが多いので、折れた枝が隣家の車や窓に当たる事故も他人事ではありません。ご自宅の被害だけで済まないのが、庭木の台風被害の怖いところです。
「枝すかし」が倒木・枝折れに効く理由
枝すかしとは、混み合った枝を間引いて樹冠の中に隙間を作る剪定方法のことです。木の形は大きく変えず、風と光の通り道を作るイメージ。バリカンで表面を刈り込むのとは別物です。

では、なぜ台風が来る前なのか。理由は3つあります。
1. 台風シーズンに間に合う
日本に台風が接近するピークは8月から9月で、10月に入っても接近は続きます。強い風が来る前に枝をすかしておけば、シーズン本番を「風の抜ける状態」で迎えられます。台風の予報が出てから慌てて依頼しても、業者の予約は埋まっていることがほとんど。これ、本当に多いんです。
2. 木への負担が少ない切り方だから夏でもできる
「夏に剪定すると木が弱るのでは?」と聞かれることがあります。確かに、枝を根元近くまで一気に詰める強い剪定は真夏には向きません。ただ、枝すかしは葉を適度に残しながら間引く方法なので、木への負担を抑えられます。むしろ風通しが良くなることで蒸れが減り、病害虫の予防にもなるくらいです。
3. 混み具合が一番よく見える時期
葉が茂りきった夏から秋にかけては、どこが密集していて風が抜けないのか一目で分かります。冬の落葉期には見えない「風の壁」が、この時期なら正確に見極められるんです。
先日、川口市内のお宅でシマトネリコの枝すかしをしました。高さ約3mで作業時間は1時間半ほど。作業後にお客様が「向こうの景色が透けて見える」と驚かれていましたが、それくらい抜け感が出るのが正しい枝すかしです。見た目はほとんど変わらないのに、風の通り方はまるで別物になります。
台風対策の剪定、費用相場はどれくらい?
費用は木の高さでほぼ決まります。一般的な相場と、私たちお庭の便利屋トムズの料金を並べてみます。
| 木の高さ |
一般的な相場(1本) |
トムズの料金(1本) |
| 低木(3m未満) |
2,000〜4,000円 |
3,000円〜 |
| 中木(3〜5m) |
5,000〜9,000円 |
お見積り(無料) |
| 高木(5m以上) |
10,000〜20,000円 |
お見積り(無料) |
ここで一つ、コスト面の考え方をお伝えします。台風で木が倒れてからの対応は、倒木の撤去・処分だけで数万円、フェンスや外壁の修理まで含めると数十万円になるケースもあります。事前の枝すかし数千円と比べると、どちらが安いかは明らかですよね。
台風対策の剪定は、費用というより保険に近い出費だと私たちは考えています。

自分でやる場合の注意点
低い木なら、ご自身で枝すかしに挑戦するのも良いと思います。ただ、自分でやって失敗するケースで多いのが、外側の枝先だけを切ってしまうパターン。これだと見た目はスッキリしても内部の密集はそのままで、風はやっぱり抜けません。切るべきは、幹の近くで混み合っている枝や、内側に向かって伸びる枝です。
そしてもう一つ。脚立作業は本当に危険です。剪定中の転落事故は毎年起きていて、特に夏場は汗で足元が滑りやすくなります。2m以上の高さの作業や、電線・隣家に近い枝は、無理せずプロに任せてください。私たちも現場では必ず二人一組で安全確認をしながら作業しています。
よくある質問
Q. 夏を過ぎてしまったら、もう手遅れですか?
手遅れではありません。台風の接近は10月ごろまで続くので、9月・10月に入ってからの枝すかしにも意味があります。ただし台風の予報が出てからは駆け込みの依頼が集中し、ご希望の日程で伺えないことがあります。1〜2週間の余裕を持ってご相談いただくのがおすすめです。
Q. 枝すかしをすると木が弱ったり、枯れたりしませんか?
葉を残しながら間引く方法なので、適切に行えば木が弱ることはほとんどありません。むしろ風通しと日当たりが改善して、木にとってはプラスに働きます。ただし切りすぎは禁物で、全体の2〜3割程度の間引きにとどめるのが目安です。
Q. 隣の家に枝が越境しています。台風前に切っておくべきですか?
切っておくことを強くおすすめします。台風で越境した枝が折れて隣家に被害を出すと、所有者の責任を問われる可能性があります。ご近所トラブルの予防にもなるので、越境枝は台風前に整理しておくのが安心です。
Q. 切った枝の処分もお願いできますか?
はい、剪定した枝の回収・処分まで対応しています。台風前の時期は枝を庭に置いたままにすると、それ自体が飛散物になってしまうので、処分までセットで行うのが基本です。
Q. 見積りだけでも来てもらえますか?
もちろんです。お見積りは無料で、川口市および近隣エリアに伺っています。実際に木を見て「この枝は残す、ここは抜く」と判断するのが枝すかしなので、まずは現地でお庭の状態を確認させてください。
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トップ写真:川口市・荒川(撮影:tak1701d/CC BY-SA 3.0/出典:Wikimedia Commons)