川口市の和風の庭に、なぜマキがこれほど多いのか
埼玉県川口市でお庭の手入れをしていると、和風の庭で必ずと言っていいほど出会う木があります。
マキ、正式にはイヌマキ。
細長い葉がびっしりと付いた、あの濃い緑の木です。
玄関脇に一本立ちで植わっていたり、隣家との境に生垣として並んでいたり。
形は違っても、同じ木。
この木が選ばれてきたのには理由があります。
潮風や排気ガスに強く、刈り込みにもよく耐える。
枝が密に出るので目隠しとして優秀ですし、常緑なので冬も葉が落ちません。
落ち葉の掃除に悩まされにくいというのは、住宅が密集した川口市のような環境ではかなり大きな利点なんです。
ただ、丈夫であることと、放っておいていいことは別の話。
マキは成長がそこまで速い木ではありませんが、それでも一年で何もしなければ枝は伸びます。
特に厄介なのが、上へまっすぐ勢いよく飛び出す枝。
庭師のあいだでは徒長枝(とちょうし)と呼びます。
字のとおり「徒に(いたずらに)長い枝」という意味で、養分を独り占めして形を崩す枝のこと。
マキはこの徒長枝がよく出る木なんです。

9月が、春の芽摘みに続く「年2回目の適期」になる理由
マキの手入れは、年に2回が基本です。
1回目は5月から6月ごろ。
新芽が伸びてきたところを摘む作業で、「芽摘み」と呼ばれます。
指先で新芽の先をつまんで取る、地味ですが効く手入れです。
ここで先端を止めておくと、その分の力が横や下の枝に回って、枝が細かく分かれてくれる。
密で品のある葉づまりは、この作業の積み重ねで作られていきます。
問題は、これで一年もつわけではない、ということ。
春に芽を摘んでも、マキは夏のあいだにもう一度伸びます。
梅雨の水と夏の日照を受けて、7月から8月にかけて二番芽が出る。
9月に庭を見て「あれ、春に整えたはずなのに」と思われる方が多いのは、これが理由なんです。
そこで入るのが、9月から10月にかけての二番手入れ。
ここでもう一度形を整えておくと、冬から春先までのあいだ、庭がすっきりした状態を保てます。
この時期を選ぶ理由はもうひとつあって、真夏を外せるから。
8月の炎天下に強く切ると、内側の枝葉が急に日差しにさらされて葉焼けを起こすことがあります。
逆に、年が明けて寒さが本格化する1〜2月に深く切ると、切り口から傷みが入りやすい。
マキは比較的暖かい地域を好む木なので、寒風に当たる枝を晩秋に無防備にするのは避けたいところなんです。
9月は、暑さが少し緩んで、まだ木に体力が残っている時期。
川口市あたりの気候だと、9月中旬から10月いっぱいがちょうど作業しやすい期間だと感じています。
秋のうちに手が回らなかった場合でも、遅くとも12月までには剪定を済ませておくのが一般的な目安です。
寒さが本格化する前に終えておけば、切り口が落ち着く時間を取れますし、すっきりした姿で年を越せます。
年末が近づくと植木屋の予定も埋まりやすいので、11月のうちに見積りだけでも取っておくと安心です。
ちなみに、年1回しかできないという場合は、この秋の手入れを優先されるのが現実的だと思います。
春の芽摘みは細かい仕上げの意味合いが強く、形を戻す力は秋の手入れのほうが大きいので。
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バリカンで刈ると、なぜ葉先が茶色く枯れて見えるのか
ここが、マキという木の一番の特徴かもしれません。
お客様からよく聞かれるんです。
「ホームセンターでバリカンを買って自分で刈ったら、一週間くらいで全体が茶色っぽくなった」と。
これ、多いんです。
原因は、葉のかたちにあります。
マキの葉は細長い線形で、長さは4〜8cmほど。
この形が問題で、機械のブレードは葉を選んで避けてはくれません。
枝ごと、葉ごと、通った線でまっすぐ切り落としていきます。
結果として、一枚一枚の葉が途中でぶつ切りになる。
切られた断面はそのまま塞がらず、乾いて褐色に変わります。
一枚だけなら気づかない程度ですが、刈り込み面には数百枚、数千枚の切断された葉が並ぶことになる。
それが一斉に茶色くなるので、遠目には「木が枯れた」ように見えてしまうわけです。
ツゲやカイヅカイブキのように葉が小さく密な木なら、機械で刈っても断面が目立ちません。
葉が大きい木、細長い木ほど機械刈りの跡が出る。
マキ、キンモクセイ、カナメモチあたりは、この点で神経を使う樹種です。

ではどうするか。
基本は、手バサミで枝の分かれ目まで戻して切ること。
葉を切らずに、枝の付け根で処理するわけです。
それに加えて、混み合った部分の古い葉を指で「むしる」。
手むしり、あるいは揉み込みなどと呼ばれる作業で、これをやると内側に日と風が通って、下の枝が枯れ上がりにくくなります。
手間はかかります。
かなり。
ただ、仕上がったマキは葉先に茶色い切り口がなく、内側まで葉が生きている。
同じ木とは思えないくらい違います。
刈り込み方法による違い
| 項目 |
バリカン(機械刈り) |
手バサミ+手むしり |
| 作業スピード |
速い |
3〜5倍の時間がかかる |
| 仕上がり直後 |
面はそろって見える |
やや自然な輪郭 |
| 1〜2週間後 |
葉の切り口が褐変し全体が茶色く見える |
切り口が見えず緑を保つ |
| 木の内部 |
表面だけ茂り内側が枯れ上がりやすい |
日と風が通り内側の枝が生きる |
| 次の芽の出方 |
切断面付近から乱れて出やすい |
枝分かれが整いやすい |
| 向いている場面 |
生垣を面として揃えたいとき |
一本立ち・玄関先など見せる木 |
誤解のないように書き添えると、機械が悪いわけではありません。
長い生垣を面としてそろえる場面では機械が合理的ですし、私たちも使います。
ただ、その場合でも仕上げに手を入れて目立つ切り口を減らすかどうかで、ひと月後の見え方が変わってくる。
使い分けの問題なんです。
刈り込みか透かしか、どちらを頼むかで金額が変わります
マキの剪定を頼むとき、金額をいちばん大きく左右するのは「刈り込み」にするか「透かし」にするかです。
刈り込みは、外側の輪郭を面でそろえる切り方です。
バリカンや刈り込みバサミで表面を整えるので、作業は比較的早く進みます。
生垣をまっすぐな壁のように保ちたいときに向いています。
透かしは、混み合った枝を付け根から一本ずつ抜いて、内側に光と風を通す切り方です。
どの枝を残しどの枝を抜くかを見ながら手バサミで進め、古い葉の手むしりも入るので、同じ大きさの木でも刈り込みより時間がかかります。
そのぶん、透かし剪定のほうが金額は高くなりやすいのです。
上の表でいえば、「バリカン」が刈り込み、「手バサミ+手むしり」が透かしにあたります。
どちらが正しいというより、木の使い方で選び方が変わります。
- 刈り込みが合う——長い生垣を面でそろえたい、費用をおさえて形だけ整えたい
- 透かしが合う——玄関先などの一本立ちを見せたい、内側の葉が枯れ上がってきた、葉先の茶色い切り口を出したくない
- 組み合わせる——生垣は刈り込みで面を出し、目立つ所だけ透かして仕上げる
見積りを取るときは、「刈り込みの場合」と「透かしの場合」の両方の金額を聞いてみてください。
差額と仕上がりの違いを並べて見ると、どこまで手を入れるかを決めやすくなります。
料金の目安だけ、先に知りたい方へ
質問に答えるだけで、剪定の料金の目安がわかります。金額を見てから、ご相談するか決めていただけます。
費用相場と、業者に頼むときに見ておきたいところ
マキの剪定費用は、木の高さと仕立て方、そして手作業をどこまで入れるかで変わります。
私たちの場合、庭木の剪定は1本3,300円〜、お見積りは無料です。
マキのように手バサミと手むしりで仕上げる樹種は、同じ高さの木より作業時間が長くなるぶん、機械で一気に刈る場合より費用は上がります。
3mを超えるマキを一本、内側までしっかり手を入れて仕上げると、半日近くかかることも珍しくありません。
その時間がそのまま金額に反映される、と考えていただくのが実態に近いと思います。
切った枝葉は回収してお持ち帰りします。
ただし量が多い場合は運搬・処分料(3,300円〜/量に応じて)を別途申し受けます。
マキは葉が密なので、生垣を一列やると想像以上の量が出ます。
ここは最初にお伝えするようにしています。

業者を選ばれるときに見ておくといいのは、次のようなところでしょうか。
- 仕上げ方を説明してくれるか——「バリカンで刈ります」なのか「手バサミで仕上げます」なのか。
金額の差はほぼここに出ます
- 処分費が含まれているかどうかを確認する——見積り金額に入っているのか、別途なのか。
ここが曖昧なまま進むと、後で行き違いになりやすいところです
- 高さの上限や、はしご・脚立での対応範囲——マキは条件がよいと5mを超えることがあります
- 作業後の状態を写真などで確認できるか——留守中の作業をお願いする場合はとくに
自分でやって失敗するケースで多いのが、脚立の上でバリカンを横に振ってしまうパターン。
刃が思ったより重く、体が振られます。
マキの生垣は高さ1.8m前後のものが多く、脚立作業になりがち。
無理をされないほうがいいと思います。
埼玉県川口市とその周辺で、マキの手入れをどうしようか迷っておられるなら、まずは木を見て「どこまで戻すか」を決めるところからだと思います。
何年か放置された木でも、いきなり全部詰めずに二年がかりで形に戻すという選択肢もありますので。
よくあるご質問
春に芽摘みをしました。9月にもう一度やる必要がありますか?
形を保ちたいなら、やっておいたほうがいいと思います。
マキは夏に二番芽が伸びるので、春の芽摘みだけだと秋には輪郭がぼやけてきます。
ただ、生垣ではなく自然樹形で楽しんでおられる場合は、秋の一回にまとめる考え方もあります。
茶色くなった葉は、そのうち緑に戻りますか?
切断された葉そのものは戻りません。
次に新芽が出て葉が入れ替わるまで、茶色い切り口は残ります。
生垣だと半年から一年、目立つ状態が続くこともあります。
逆に言えば、枯れたわけではないので木そのものが弱っているとは限りません。
何年も放っておいたマキです。一気に小さくできますか?
できる場合とできない場合があります。
マキは古い幹からでも芽を吹く力があるので、強く切り戻せる樹種ではあるんです。
ただ、内側の枝が長年の日照不足で枯れ上がっていると、切った先に葉が残らず「棒」になってしまう。
実際に木を見て、どこまで戻せるか判断させていただくのが確実です。
マキの生垣は年に何回刈ればきれいに保てますか?
年2回が基本です。
5〜6月の芽摘みと、9〜10月の二番手入れ。
予算の都合で年1回にされる場合は、秋を選ばれるのが形の維持という点では有利だと思います。
マキの剪定は、何月までに済ませればいいですか?
いちばん作業しやすいのは9月中旬から10月ですが、遅くとも12月までには済ませておくのが一般的です。
年が明けて寒さが厳しくなってから深く切ると、切り口から傷みが入りやすくなります。
刈り込みと透かしでは、どれくらい金額が違いますか?
木の高さや枝の混み具合で変わるので一律には言えませんが、透かしは枝を一本ずつ見て抜くぶん時間がかかり、刈り込みより高くなりやすいです。
どちらで進めるかは、お見積りの際に木を見ながらご相談ください。
切った枝は自分で処分できますか?
自治体のルール次第です。
川口市を含め、剪定枝の出し方(長さ・束ね方・一度に出せる量)は地域で決められています。
少量なら可燃ごみで対応できることもありますが、生垣一列分となると回数を分ける必要が出てきます。
私たちにご依頼いただく場合は回収してお持ち帰りしますが、量が多いときは運搬・処分料を別途頂戴する形になります。
適期を外しても、切り方次第で整えられます
マキは9〜10月が適期で、遅くとも12月までに済ませておくのが目安です。
ただ、時期が少しずれても、深く切り込まず、混んだ枝を透かして量を減らす形なら、葉先を傷めにくく整えられます。
刈り込みにするか透かしにするかも、木と仕上がりの好みを見て決めます。
- 寒い時期に深く切り込まない
- 目立つ所は透かし、面は刈り込みで整える
- 見積りで刈り込みと透かしの両方を比べる
どちらの切り方が合うか迷ったら、木の写真でご相談ください。
金額の違いもあわせてお伝えします。
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トップ写真:イヌマキの木(撮影:Keisotyo/CC BY-SA 3.0/出典:Wikimedia Commons/トリミング・縮小して使用)