7月に入ってから、川口市内で「隣の家から苦情が来てしまって」というご相談が続いています。
多いのが、ブロック塀を越えて伸びた枝。
春に一度整えたはずなのに、梅雨明けの頃には元通り、いえ、それ以上に暴れているんです。
これ、木のせいではありません。
夏はそういう季節なんです。
7月の枝が「いきなり伸びた」ように見える理由
庭木の枝が最も勢いよく伸びるのは、6月から8月にかけて。
気温と日照、そして梅雨の雨がそろうこの時期、樹木は一年で最大の成長スイッチが入ります。
キンモクセイやサザンカのような常緑樹だと、ひと月で20〜40cm伸びることも珍しくありません。
特に伸びるのが、勢いのいい若い枝。
専門的には「徒長枝(とちょうし)」と呼びます。
上や横にまっすぐ、細く長く飛び出していく枝のことです。
これが塀の向こうへ、あるいは道路の上へ、するすると出ていく。
川口市は戸建て住宅が密集しているエリアが多く、隣地との距離が1mを切るお宅も少なくありません。
木そのものは敷地内に植わっていても、枝先だけが越えていく。
よくあるパターンです。

お客様から聞かれるのが「うちの木、そんなに大きくないんですけど」というひとこと。
でも越境って、木の大きさの問題じゃないんですよね。
塀ぎわに植えた低木でも、枝が1m伸びれば越えてしまう。
むしろ境界に近い木ほど、少し伸びただけで問題になります。
隣の枝、勝手に切っていい? 2023年4月に法律が変わりました
ここは誤解が本当に多いところなので、丁寧にお伝えします。
民法233条という条文が、2023年4月1日から改正されました。
ポイントは「越境した枝を、条件つきで自分で切れるようになった」という点です。
原則は、今も昔も「木の持ち主に切ってもらう」
まず大前提。
隣の敷地から枝が越えてきたら、その木の所有者に切ってもらうよう求めるのが原則です。
これは改正後も変わっていません。
いきなり切ると、他人の財産を勝手に傷つけたことになりかねない。
ただし、この3つのどれかに当てはまれば自分で切れます
- 木の所有者に「切ってください」と求めたのに、相当の期間内に切ってくれないとき
- 木の所有者が誰か分からない、または居場所が分からないとき
- 急迫の事情があるとき(倒れかかっている、今すぐ危険がある等)
この「相当の期間」ですが、法務省の考え方をもとに各自治体が案内している目安は、おおむね2週間程度とされています。
相手が業者を手配する時間を見込んだ期間、という趣旨ですね。
そしてもうひとつ。
根っこは昔から、越境していれば切ってよいことになっています(民法233条4項)。
枝と根で扱いが違うんです。
意外と盲点。
切った費用は、誰が払うのか
切除にかかった費用は、基本的に木の所有者に請求できると考えられています(民法703条・709条が根拠とされます)。
ただし請求できることと、実際に払ってもらえることは別問題。
ここは正直にお伝えしておきます。
私たちが現場で見てきた限り、法的に切れるかどうかより、この先も隣同士で暮らしていけるかどうかのほうが、ずっと大事です。
法律は「最後の手段」として持っておいて、まずは一声かける。
それが一番早く、一番こじれません。

自分で切る範囲と、私たちに任せてほしい範囲
正直に言えば、自分で切れる枝はあります。
脚立を使わず手が届く高さで、太さが親指くらいまでの枝。
高枝切りバサミで足りる範囲なら、無理にご依頼いただかなくても大丈夫だと思います。
問題は、そこから先。
自分でやって失敗するケースで多いのが、この3つ。
- 脚立の転倒:庭は地面が水平ではありません。
土やタイルの上で脚立を立て、上を向いて力を入れる。
これが一番危ない体勢です
- 切り口から枯れ込む:夏に太い枝をバサッと落とすと、切り口が乾いて内側から傷むことがあります。
特にモミジやツバキは夏の強剪定に弱い
- 切ったら余計に増えた:付け根を残して途中で切ると、その下から何本も枝が吹き出します。
翌年、前より鬱蒼とすることに
先日も川口市内で、越境したキンモクセイをご自分で切られた後のお宅に伺いました。
塀の外側だけがきれいに刈られ、内側はそのまま。
おかげで木の形が半分だけになっていて、見た目もさることながら、片側に重心が寄って風で揺れやすくなっていたんです。
「越境部分だけ切る」は、実はけっこう難しい。
それと、切った枝の処分。
これ、多いんです。
切るのは30分でも、枝葉の袋詰めと運搬に2時間かかった、というご相談。
川口市の家庭ごみでは、太い枝や大量の枝葉は出せないことがあります。
事前に確認しておいてください。
越境した枝への対応、3つの選び方
| 対応 |
法律上の位置づけ |
費用の目安 |
向いているケース |
| 木の持ち主に切ってもらう |
原則どおり。 最も安全 |
自己負担なし |
相手と連絡が取れる。 時間に余裕がある |
| 自分で切る |
3つの条件のいずれかを満たす場合のみ |
道具代のみ。 ただし処分の手間あり |
手の届く高さ・細い枝だけ。 相手が不在/不明 |
| 業者に部分剪定を頼む |
依頼主の敷地内の木なら制限なし |
低木3,000円〜4,000円/中木4,000円〜10,000円/高木10,000円〜20,000円(1本・税込) |
3m以上の木。 塀ぎわ・電線が近い。 形も整えたい |
ご自身の木が隣へ越境している場合は、いちばん下の行になります。
自分の庭の木ですから、法的な制約はありません。
純粋に「どう切るか」の話です。
7月中の部分剪定という選択
「秋まで待ったほうが木にはいいのでは」と聞かれることがあります。
おっしゃるとおりで、木全体をしっかり整える本格的な剪定は、樹種にもよりますが冬か秋が基本です。
ただ、越境は待ってくれません。
そこで私たちがおすすめしているのが、7月中の部分剪定。
越境している枝と、内側で混み合っている枝だけを選んで抜く方法です。
透かし剪定といって、木の内側に風と光を通す切り方。
全体を刈り込むわけではないので、真夏でも木への負担が小さく済みます。
副産物として、風通しがよくなると害虫も減ります。
チャドクガのような毛虫は、蒸れて暗い枝の内側を好むんです。
7月は毛虫の被害が出やすい時期でもあるので、ここは一石二鳥かもしれません。
作業時間の目安をお伝えすると、中木のキンモクセイ1本で30〜60分、3mを超えるマツで2〜4時間ほど。
越境部分だけなら、ご近所への挨拶を含めても半日かからないケースがほとんどです。

川口市・戸田市・蕨市・草加市・さいたま市南区・緑区が私たちの日常の現場です。
見積りと出張費はいただいていません。
写真を送っていただければ、おおよその金額はその場でお伝えできます。
よくあるご質問
Q. 隣から伸びてきた枝、黙って切ってしまってもいいですか?
原則は、木の所有者に切ってもらうよう伝えるのが先です。
伝えたうえで2週間程度待っても対応がない場合、所有者が分からない場合、急を要する場合には、ご自身で切れます。
順番を飛ばさないのが安全だと思います。
Q. 切り落とした枝や実は、誰のものになりますか?
もともと隣の木の一部ですから、勝手に処分せず、どうするかを確認しておくのが無難です。
柿やビワなど実のなる木では、実を巡ってトラブルになることが実際にあります。
Q. 隣が空き家で、持ち主が分からないときは?
所有者や所在が分からない場合は、ご自身で切ることが認められています。
ただし「探したけれど分からなかった」という経緯を記録しておくと安心です。
判断に迷う場合は、川口市の空き家相談窓口や弁護士へご相談ください。
Q. 夏に切ると木が弱ると聞きました。大丈夫でしょうか?
太い枝を落とす強剪定は避けたほうがいいですね。
越境した枝と、内側の混み合った枝を選んで抜く部分剪定であれば、7月でも問題ありません。
むしろ風通しが改善します。
Q. 越境している枝1本だけでも来てもらえますか?
もちろん伺います。
1本だけのご依頼も日常的にお受けしています。
ついでに他の木も見てほしい、というご相談も多いですね。
お庭のこと、まずはお気軽にご相談ください
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