台風が近づいてくると、決まって電話が増えます。「今からでも庭木、なんとかなりますか?」という内容です。川口市は住宅が密集しているぶん、枝が飛べば隣家の屋根、車、電線。心配になるのは当然だと思います。
ただ、ここで大事なのは「今が台風の何時間前か」で、やっていいことが完全に変わるということ。数日前ならできることは多い。でも前日以降は、庭木に手を出すこと自体が一番の危険です。
この記事では、接近が分かってから通過し終わるまでの数日間だけに絞って、時間軸で整理します。シーズン前の予防剪定や、倒れてしまった木の撤去は話が別なので、そちらは当サイトの別記事をご覧ください。

台風接近から通過まで|時間軸でできること・できないこと
まず全体像から。ここを間違えると、対策のつもりが事故になります。
| タイミング |
できること |
やってはいけないこと |
3〜2日前 (進路がほぼ固まる頃) |
危険枝の切り落とし/支柱の増し打ち/業者への依頼・見積り依頼 |
—(この時点なら通常作業は可能) |
前日 (風が出始める) |
鉢植えの移動・固定/物置まわりの片づけ/雨樋の目視確認(地上から) |
脚立作業/高木の剪定/チェーンソー使用/屋根に上がる |
| 当日・通過中 |
家の中で待つ。それだけ |
庭に出ること全般/窓の外の様子を見に行く |
| 通過後 |
安全確認→写真撮影→必要なら業者手配 |
電線に触れた枝への接触/濡れた木への登り作業 |
この表の境目は、風速です。気象庁が「強風域」と呼ぶのが平均風速15m/s以上、「暴風域」が25m/s以上。ただ現場の感覚で言うと、平均10m/sを超えたら脚立はもう立てられません。体が持っていかれます。予報で「明日から風が強まる」と出た時点で、高所作業は終わりだと思ってください。
数日前ならまだ間に合う|優先して処置すべき危険枝
進路が固まってから通過まで、たいてい2〜3日はあります。ここが勝負どころ。
ただし、この段階でも「全体を剪定しよう」と考えないこと。時間もないし、深く切りすぎると木が弱ります。狙うのは危ない枝だけです。
優先度が高い順に4つ
- 枯れ枝——最優先。生きた枝は風でしなって耐えますが、枯れ枝はしなりません。ポキッといきます。触ってみて弾力がない、爪で樹皮を削っても緑が出てこない枝は枯れています
- 隣家・道路・電線の上に張り出した枝——自分の敷地に落ちるなら片づければ済む。よそに落ちると話が変わります
- 付け根が裂けかけている枝——雪や以前の台風で一度傷んだ枝。裂け目が黒く変色していたら、そこが折れます
- 屋根・雨樋に接している枝——風で振り子のように揺れて、瓦をこすります
逆に、幹の高い位置にある太い枝は触らないでください。これはプロの領域です。中途半端に切ると重心が変わって、かえって木全体が倒れやすくなることがあるんです。
切った枝の置き場所が、実は盲点
よくあるのが、切った枝を庭の隅に積んだまま台風を迎えるパターン。これ、多いんです。せっかく切った枝が飛んで、結局ガラスを割る。切ったら必ず、ゴミ袋か物置の中へ。当日回収に間に合わないなら、ブルーシートをかけて重しを載せる。
業者に頼むなら、いつまで?
私たちの実感として、台風の2日前が現実的な締切です。前日になると、風の予報を見て私たちの側からお断りすることもあります。脚立の上で作業する以上、職人が落ちたら元も子もありませんから。
川口市周辺でご依頼をいただく場合、剪定は1本3,000円〜、お見積りは無料です。切った枝葉は回収してお持ち帰りしますが、量が多い場合は運搬・処分料(3,000円〜/量に応じて)を別途申し受けます。台風前は駆け込みのご依頼が集中するので、進路予報が出た時点でご連絡いただくのが確実だと思います。
なお、他社さんに頼まれる場合も、処分費が込みなのか別なのかは必ず確認してください。台風前の急ぎだと確認が抜けて、あとで金額に驚くケースがあります。

前日以降にやってはいけないこと|代わりにやるべき3つ
ここが一番伝えたいところです。
台風前日、風がヒュッと吹き始めた頃に、慌てて脚立を出す方がいます。これが一番危ない。
以前、川口市内で台風通過後にご相談をいただいたお宅で、家主さんが前日に自分で高枝切りバサミを使い、その反動でバランスを崩して脚立ごと倒れた——という話を伺ったことがあります。幸い植え込みがクッションになって軽傷で済んだそうですが、コンクリートだったらと思うとぞっとします。
自分でやって失敗するケースで多いのが、まさにこの「前日の駆け込み作業」です。焦っているぶん判断も雑になる。
前日以降は禁物な作業
- 脚立・はしごを使うすべての作業
- チェーンソー・エンジン式の道具の使用(風で刃がブレます)
- 屋根に上がっての雨樋掃除
- 高枝切りバサミでの頭上作業(切った枝の落下方向が読めません)
代わりに、地上でできる3つ
1. 鉢植えとプランターを片づける
庭木より先に飛ぶのが、実は鉢です。軒下や物置へ移動。動かせない大鉢は横倒しにしておくだけでも違います。倒しておけば、少なくとも転がって窓に当たる勢いは出ません。
2. 雨樋を地上から見上げて確認する
落ち葉が詰まっていると、台風の豪雨で水があふれて外壁を伝います。地上から見て樋の縁から草が生えていたら、完全に詰まっているサイン。上らずに、高圧洗浄機のノズルを下から当てられる範囲だけで十分です。
3. カーポート下・物置まわりを空にする
カーポートの波板は、下に物があるほど風が巻いて浮きます。自転車、脚立、ゴミ箱、季節外れの網戸——これらを屋内へ。川口市は駐車スペースが狭いお宅も多いので、車と壁の隙間に物を挟んでいる場合は特に注意してください。
支柱は「増やす」より「確かめる」
植えたばかりの若木には支柱が付いているはずです。前日にできるのは、結束バンドやシュロ縄が緩んでいないかを確かめて、緩んでいたら締め直すこと。新しく支柱を打ち込むのは、地面がまだ乾いているうち——つまり数日前の作業です。雨が降り始めてから打っても、ぬかるんだ土では効きません。
通過後に最初に見る場所|順番を間違えない
風が収まったら、すぐ庭に出たくなります。でも順番があります。
まず、上を見る
折れかけて枝に引っかかったまま落ちていない枝——現場では「かかり枝」と呼びます。これが一番怖い。風が止んでいても、数時間後や翌日にふっと落ちます。真下を通らないでください。
次に、電線
枝が電線に触れている、または電線が垂れ下がっている場合、絶対に近づかず触らないこと。ご自分で対処せず、電力会社へ連絡する案件です。これは庭師の仕事の範囲外です。
それから、木の根元
幹が傾いていないか。根元の土が盛り上がったり、ひび割れたりしていないか。土の割れは根が持ち上がったサインで、見た目は立っていても次の強風で倒れます。川口市は宅地造成された土地が多く、土が浅いお宅だと根が横に張れずに、この状態になりやすいんです。
写真を撮っておく
被害があった場合、片づける前に撮影を。火災保険の風災補償が使える可能性があります(契約内容によりますので、加入先にご確認ください)。片づけてしまうと証明できません。

自分で片づけていいライン
地面に落ちた枝葉を集める——これは大丈夫。倒れた木を起こす、太い枝をチェーンソーで切る——これはやめてください。倒木は幹の中に力(テンション)が残っていて、切った瞬間に跳ねます。この跳ね返りで大怪我をする事故が、毎年どこかで起きています。
よくある質問
Q. 台風の前に葉を全部落としてしまえば、風を受けなくて安全では?
気持ちは分かるのですが、おすすめしません。葉を丸ごと落とすと木は栄養を作れなくなり、そのまま樹勢が落ちて枯れ込むことがあります。特に夏場の強剪定は木にとって大きな負担。狙うのは枯れ枝と張り出し枝だけ、が正解だと思います。
Q. 前日でも、低い植木くらいなら切っていいですか?
足が地面に着いた状態で、頭より低い枝なら大きな問題はありません。ただし切った枝の置き場だけは確保してから。それと、風が出てきたら中断する判断を先に決めておいてください。「あと少しだから」が事故のもとです。
Q. 台風の2日前ですが、まだ依頼を受けてもらえますか?
時期と混み具合によります。台風前は依頼が集中するため、確約はできません。ただ、まずご連絡いただければ、その日のうちに伺えるか、通過後の対応になるかをはっきりお伝えします。見積りは無料ですので、迷ったらお電話ください。川口市・戸田市・さいたま市南区周辺なら移動が早いぶん、対応できる可能性は高いです。
Q. 通過後、折れた枝の処分はどうすればいいですか?
自治体の分別ルールに従えば家庭ゴミとして出せる場合もありますが、量が多いと難しいですよね。私たちにご依頼いただければ回収してお持ち帰りします。ただし量に応じて運搬・処分料(3,000円〜)を別途申し受けますので、事前にお伝えします。
Q. 毎年台風で心配になります。根本的にはどうすれば?
結局のところ、年1〜2回の定期剪定で樹形を整えておくのが一番効きます。風が抜ける樹形にしておけば、台風のたびに慌てなくて済む。枯れ枝も定期的に落とせます。台風シーズン前の予防剪定については別記事で詳しく書いていますので、そちらもご覧ください。
まとめ|今日が何日前かで、答えは変わる
台風対策で一番大事なのは、作業の内容そのものよりタイミングの判断です。
数日前なら、枯れ枝と張り出し枝を落とす。業者に頼むなら2日前が締切。前日以降は庭木に登らず、鉢と足元の片づけに切り替える。通過後は、上を見てから足元を見る。
この順番さえ守れば、大きな事故はまず防げます。焦って脚立に上ることだけは、どうか避けてください。庭木は来年も生えてきますが、体はそうはいきませんから。
お庭のこと、まずはお気軽にご相談ください
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トップ写真:川口市・新芝川(撮影:Ebiebi2/パブリックドメイン/出典:Wikimedia Commons)