「手入れが楽な庭木」は、見た目ではなく5つの条件で決まります
庭木選びのご相談で、いちばん多いのがこれ。「きれいで、手がかからない木ってどれですか?」
正直に言うと、この二つは完全には両立しません。ただ、条件を分けて考えると、かなり近いところまでは持っていけます。私たちが川口市で年間たくさんのお庭を回っていて、「あ、この木は楽だな」と感じるかどうかは、だいたい次の5つで決まっているんです。
- 常緑か落葉か……落葉樹は秋にまとめて葉が落ちます。常緑樹も葉は落ちますが、少しずつ一年中。掃除の「山」が来るか、ならされるかの違いですね
- 伸びる速さ……ここが一番効きます。速い木は、切っても切ってもすぐ元に戻ります
- 年間の剪定回数……年2回必要な木と、3年に1回でいい木とでは、10年で6倍以上の差になります
- 落ち葉・落ちる実の量……道路や隣家に面していると、量がそのままご近所への気づかいの量になります
- 虫のつきやすさ……消毒が要るかどうか。毛虫がつく木は、放っておくと洗濯物にも影響します
この中で、多くの方が見落としているのが「伸びる速さ」。意外と盲点。カタログや園芸店のポップには樹高が書いてありますが、そこに到達するまでの速度はあまり書かれていません。植えた時は腰の高さだった木が、5年で屋根に届く——これ、本当によくあります。

人気樹種を「手間」で比べてみました
お客様からよく名前が挙がる樹種を、上の5条件で並べてみます。剪定回数は「見た目をきれいに保ちたい場合」の目安。放任でいいなら、もっと減らせる木もあります。
| 樹種 | 常緑/落葉 | 伸びる速さ | 剪定回数の目安 | 落ち葉の量 | 虫のつきやすさ |
|---|---|---|---|---|---|
| ソヨゴ | 常緑 | とても遅い | 2〜3年に1回 | 少ない | 少ない |
| アオダモ | 落葉 | 遅い | 2〜3年に1回 | 少なめ(葉が小さい) | 少ない |
| ハイノキ | 常緑 | とても遅い | 2〜3年に1回 | 少ない | 少ない |
| キンモクセイ | 常緑 | ふつう | 年1回(花後) | ふつう(花もよく落ちる) | ふつう |
| ヤマボウシ | 落葉(常緑種もあり) | ふつう | 年1回 | ふつう(実も落ちる) | ふつう |
| オリーブ | 常緑 | やや速い | 年1回(春) | 少しずつ通年 | 幹の中に入る虫に注意 |
| イロハモミジ | 落葉 | ふつう | 年1回(冬) | 多い | ふつう |
| シマトネリコ | 常緑(寒さで落葉することも) | とても速い | 年2回 | やや多い | 幹の中に入る虫に注意 |
| サルスベリ | 落葉 | 速い | 年1〜2回 | 多い | 多い(うどんこ病も) |
| カイヅカイブキ | 常緑 | 速い | 年2回 | 少ない | ふつう |
植えっぱなしで済む側:ソヨゴ・アオダモ・ハイノキ
この3つは、私たちの感覚では「手間の少なさ」で頭ひとつ抜けています。共通しているのは、とにかく伸びるのが遅いこと。ソヨゴは常緑で冬も葉が残り、秋には赤い実がつきます(実がつくのは雌の木だけなんです)。アオダモは葉が細かくて涼しげで、落葉しても掃除がそこまで大変になりません。
デメリットも正直に言っておくと、成長が遅いぶん、苗木の値段は高めです。あと「思ったより大きくならない」という物足りなさを感じる方もいます。数年待てる方向き、ですね。
きれいだけど手がかかる側:シマトネリコ・サルスベリ
シマトネリコは、ここ十数年でいちばん植えられた木かもしれません。シンボルツリーとして本当に人気があります。ただ、これが速い。とにかく速い。
先日も川口市内のお宅で、「植えて7年で2階の窓を越えてしまった」というシマトネリコを剪定させていただきました。年に1回切っていても追いつかなかったそうです。この木は放っておくと10m級まで行きます。年2回、初夏と秋口に手を入れる前提で植えるなら、涼しげで良い木なんですけどね。
サルスベリは花が長く咲く代わりに、うどんこ病とアブラムシがつきやすい木です。ベタベタした樹液が下に落ちて、車やウッドデッキが汚れるというご相談もいただきます。

もう植わっている木に疲れてしまったら
「植え替えたほうがいいですか?」とよく聞かれます。答えは、木の種類より場所を見てから決めましょう、です。
同じシマトネリコでも、庭の真ん中で伸び伸び育っている木と、隣家の境界から50cmのところに植わっている木とでは、かかる手間がまるで違います。境界近くの木は、伸びた分だけ確実に越境します。そうなると剪定は「見た目のため」ではなく「ご近所トラブルを防ぐため」の作業になり、頻度を自分で選べなくなるんです。
選択肢としては3つ。
- 切り下げて維持する……脚立で届く高さ(2.5m前後)まで一度下げてしまえば、その後はご自身でも管理しやすくなります
- 植え替える……幹が太くなる前が勝負。直径10cmを超えると根の量も増えて、掘り上げ自体が重労働になります
- 伐採して別の木にする……この場合、必ず根っこの処理まで考えてください
自分でやって失敗するケースで多いのが、地際でノコギリを入れて「これで終わり」にしてしまうパターン。シマトネリコもキンモクセイも萌芽力が強いので、根っこごと抜かないと翌年また何本も生えてきます。しかも一本だった幹が、株立ち状に何本にも分かれて出てくる。かえって厄介になります。
私たちにご相談いただく場合、剪定は1本3,000円〜、お見積りは無料です。切った枝葉はこちらで回収して持ち帰りますが、量が多い場合は運搬・処分料(3,000円〜/量に応じて)を別途申し受けます。ちなみに業者を比べるときは、この処分費が見積りに入っているかどうかを必ず確認してください。ここが抜けていると、あとから金額が変わることがあります。
川口市で庭木を選ぶときに、もうひとつ見てほしいこと
川口市は住宅が密集しているエリアが多く、隣家との距離が近いお庭がほとんどです。そうすると、樹種そのものより「落ち葉がどこに行くか」のほうが実は重要になってきます。
風下に隣家があるお庭で落葉樹を植えると、秋の一か月間、毎年気を揉むことになります。逆に、道路に面していない中庭のような場所なら、モミジのような落ち葉の多い木でも気楽に楽しめるはずです。
もうひとつ。建物の南側は日当たりが良いぶん、木の成長も速くなります。同じシマトネリコでも、北側の日陰に植わっている木は驚くほどゆっくりです。「手入れが楽な木」を探す前に、「その場所が木をどれだけ育ててしまうか」を見ておくと、選択がずいぶん楽になると思います。
樹種ごとの具体的な剪定時期——キンモクセイは花が終わってから、モミジは葉が落ちた冬に、といった話は、それぞれ別の記事で詳しくご紹介しています。植える木が決まったら、そちらもあわせてご覧ください。

よくあるご質問
Q. 本当に「手入れゼロ」で済む庭木はありますか?
ゼロは、正直ありません。ただ、ソヨゴやハイノキのように2〜3年に1回で足りる木はあります。「毎年やらなくていい」だけでも、体感の負担はかなり変わりますよ。
Q. 常緑樹なら落ち葉の掃除はいらないですよね?
いえ、常緑樹も葉は落ちます。古い葉と新しい葉が入れ替わるためで、量が少しずつ一年中というだけなんです。秋に一気に来るのが嫌なら常緑、日常的な掃き掃除を減らしたいなら落葉樹という選び方もあります。ご自身の生活リズムで選ぶのが正解かもしれません。
Q. シマトネリコは植えないほうがいいですか?
そんなことはありません。年2回の剪定を続けられるか、あるいは高さ2.5〜3mで維持し続ける覚悟があるかどうか、です。実際、きれいに管理されているお宅もたくさんあります。問題は木ではなく、手間の見積り違いのほうなんですね。
Q. 自分で剪定できる高さの限界はどれくらいですか?
脚立を使って安全に作業できるのは、目安として3mまでだと考えてください。それ以上になると、片手にノコギリを持って不安定な姿勢になります。川口市内でも、脚立からの転落でお怪我をされた話は毎年耳にします。無理をされないでください。
Q. 虫がついてしまった木は、切れば治りますか?
虫の種類によります。葉につくアブラムシや毛虫は消毒で対応できますが、幹の中に入って食い荒らすタイプ(オリーブやシマトネリコにつくことがあります)は、根元におがくずのような粉が出ていたら要注意。木が弱っている場合は剪定より先に、そちらの処置を優先したほうがいいです。
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