夏はなんともなかったのに、秋になって急に部屋が暗い
「去年の秋くらいから、リビングが暗くて日中も電気をつけてるんです」
川口市でこのご相談、9月から11月にかけて本当に増えます。
しかも決まって「夏の間は気にならなかった」とおっしゃる。
木は夏の間にぐんと伸びていますから、それも一因ではあります。
ただ、本当の理由は別にあるんです。
太陽の高さ。
これが変わります。
川口市はだいたい北緯35.8度あたりに位置しています。
この緯度だと、真夏(夏至)のお昼どきの太陽は地面から約77.6度、ほぼ真上といっていい角度から照っています。
それが秋分で約54.2度、冬至には約30.8度まで下がる。
太陽が斜めから差してくるようになるわけです。
斜めから照らされたものは、影が長くなります。
夕方の自分の影が異様に長く伸びる、あれと同じことが、冬は一日中起きている。

3mの木の影が、5mまで伸びる
実際にどれくらい変わるのか。
高さ3mの庭木を例に、季節ごとの影の長さを出してみました。
南中時(お昼ごろ)の数字です。
| 時期 |
太陽の高さ(南中高度) |
3mの木がつくる影の長さ |
| 夏至(6月下旬) |
約77.6度 |
約0.7m |
| 秋分(9月下旬) |
約54.2度 |
約2.2m |
| 冬至(12月下旬) |
約30.8度 |
約5.0m |
※北緯35.8度(川口市付近)で計算した目安です。
夏は0.7m。
木の足元にちょこんと影があるだけです。
ところが冬至には5.0m。
7倍以上に伸びる計算になります。
敷地の南側に3mのシマトネリコが1本ある。
夏はまったく問題なかった。
ところが12月、その影がちょうど5m先の掃き出し窓まで届く——こういうことが起きます。
木は伸びていないのに、部屋が暗くなる。
これ、多いんです。
洗濯物も同じ理屈です。
物干し場が影に入る時間が、夏と冬でまるで違う。
「冬になると夕方まで乾かない」というお悩みは、日照時間が短いせいだけではなく、影の位置が動いたせいであることが少なくありません。
ご自宅で確かめる方法
難しい計算は要りません。
晴れた日のお昼ごろ、庭に出て木の影がどこまで伸びているか見てください。
そこから木の高さの1.7倍くらいのところまで、冬には影が届くと思っておけばだいたい合います。
秋分の日を過ぎたあたりに一度見ておくのがおすすめです。
スマホで撮っておくと、来年の比較に使えます。
お客様には毎回これをお願いしています。
切り倒さずに光を通す「透かし剪定」
「じゃあ切るしかないですか」と聞かれます。
多くの場合、切り倒す必要はありません。
透かし剪定という方法があります。
読んで字のごとく、枝を「透かす」——つまり枝の本数そのものを減らして、向こう側が透けて見える状態にする剪定です。
よく比較されるのが、丸く刈り込む剪定。
生け垣や玉散らしでやるあれですね。
見た目は整いますが、表面をびっしり葉が覆う形になるので、光はほとんど通りません。
むしろ壁みたいになる。
日当たりを回復させたいときには逆効果です。
透かし剪定で抜くのは、主にこのあたりの枝。
- 絡み枝:他の枝と交差してこすれている枝
- 内向き枝:木の内側に向かって伸びている枝
- ふところ枝:幹の近くで日陰になり、弱っている細い枝
- 立ち枝:真上に勢いよく伸びた徒長枝(とちょうし)
枝の付け根から丁寧に抜いていくと、木の形は保ったまま、葉の密度だけが下がります。
木漏れ日が落ちるくらいが理想。
風も通るようになるので、害虫や病気の予防にもなります。
一石二鳥、というと安っぽいですが、実際そうなんです。

自分でやって失敗するケースで多いのが
外側の葉だけをパチパチ切ってしまうこと。
手が届く範囲で、目についた葉を切る。
気持ちはよくわかります。
ただ、これをやると木は「葉が足りない」と判断して、切られた場所の周りから細い枝を大量に出します。
結果、前より枝が密になって余計に暗くなる。
翌年こうなってご相談をいただくこと、川口市内でも珍しくありません。
抜くのは付け根から。
途中で切らない。
これだけは覚えておいてください。
なぜ「9月」なのか
透かし剪定に適した時期は、木の種類で少し変わります。
ただ、日当たりの改善を目的にするなら9月から11月がやりやすい時期だと思います。
理由は3つ。
ひとつめ。
この時期の落葉樹は成長が緩やかになっているので、切っても徒長枝が暴れにくい。
夏に強く切ると木が慌てて枝を出しますが、秋はそれが起きにくいんです。
ふたつめ。
影が伸び始める前に間に合う。
12月に「暗い」と気づいてから頼むより、9月のうちに手を打っておけば、いちばん日射しがほしい真冬を明るい状態で過ごせます。
みっつめ。
実務的な話ですが、11月から12月は落ち葉の片付けと年末の駆け込みで現場が埋まります。
9月なら日程が取りやすい。
ただし常緑樹のうち寒さに弱いもの——たとえばシマトネリコやオリーブは、真冬に強く切ると傷むことがあります。
この場合も9月から10月に済ませておくのが安全です。
マツは秋に「もみあげ」という古葉を落とす作業をしますが、これも光を通す効果が高い作業ですね。
費用の目安
私たちの場合、剪定は1本3,000円〜で承っています。
木の高さ、枝の量、脚立が立てられるかどうか(狭い場所だと作業に時間がかかります)で変わります。
3mくらいの木を1本きれいに透かすと、だいたい2時間ほど。
切った枝葉は回収して持ち帰ります。
ただし量が多い場合は運搬・処分料(3,000円〜/量に応じて)を別途申し受けます。
庭木3〜4本分をまとめて剪定すると、軽トラの荷台がいっぱいになることもありますので、そのくらいの規模になりそうなときは事前にお伝えします。
見積りは無料です。
金額を出す前に、どの枝を抜けばどこが明るくなるか、その場でご説明します。
他社さんに頼まれる場合も、処分費が含まれているかどうかは必ず確認してください。
「1本◯円」だけ提示されて、作業後に処分費を上乗せされたという話をお客様から聞くことがあります。
含まれているのか別なのか、別ならいくらなのか。
ここを聞いておくだけで行き違いは防げます。

1本だけ抜いて解決することもある
先日、川口市内の戸建てのお庭に伺ったときのこと。
南側にモッコクとキンモクセイが並んでいて、「両方切ってほしい」というご依頼でした。
でも実際に立ってみると、リビングの窓を暗くしていたのはモッコクの上のほうの枝だけ。
キンモクセイは位置が西寄りで、冬でも窓には影を落としません。
結局、モッコクの上部を透かして、キンモクセイは軽く整える程度に。
「こっちは切らなくていいんですか」と驚かれましたが、切る必要のない木を切っても仕方ありませんから。
香りも楽しめますしね。
庭に立って、窓の位置と木の位置と、太陽が回る方向を見る。
これをやらずに「とりあえず全部小さく」とやってしまうと、必要な緑まで失うことになります。
もうひとつ。
根本的に日当たりが取れない配置——たとえば真南の至近距離に大きな常緑樹があるようなケースでは、正直に「これは透かしても限界があります」とお伝えします。
そのうえで伐採を検討されるなら、根っこごと抜かないとまた生えてくる樹種もありますので、そこも含めてご相談ください。
よくあるご質問
Q. 透かし剪定をすると、木は弱りませんか?
適量なら弱りません。
目安として、全体の葉の2〜3割程度を抜くくらいが安全なラインだと思います。
半分以上落とすと木にとってはかなりの負担で、翌年の生育に影響が出ることもあります。
「一気に小さくしたい」というご要望には、2年に分けてご提案することもあります。
Q. 9月を逃したらもうダメですか?
そんなことはありません。
落葉樹なら葉が落ちきった12月〜2月も、枝ぶりが見えるぶん透かしやすい良い時期です。
ただ日当たりを取り戻す目的なら、影がいちばん長くなる時期の前に済ませたほうが体感は変わります。
Q. 隣の家の木が影を落としています。どうすれば?
越境した枝であっても、勝手に切ることはできません。
まずはお隣にご相談を。
ご自身の敷地内の木を透かして、少しでも光の入り口を増やすというアプローチもあります。
ご近所トラブルになるとお庭どころではなくなりますので、ここは慎重に。
Q. 洗濯物が乾かないのは剪定で本当に改善しますか?
物干し場に影が落ちている場合は、改善する可能性が高いです。
逆に、建物や隣家の影であれば剪定では変わりません。
見積りのときに、どちらが原因かをその場で判断してお伝えします。
原因が木でないなら、はっきりそう申し上げます。
Q. 川口市以外でも対応していますか?
川口市のほか、戸田市、蕨市、草加市、さいたま市南区・緑区で作業しています。
お庭のこと、まずはお気軽にご相談ください
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