藤の花が咲かない原因、実は「切った時期」が多いんです
春に紫の花房が垂れる藤棚。
咲けばとてもきれいです。
ところが、夏から秋にかけてはつるが四方に伸び放題になります。
棚からはみ出し、隣の木や雨どいに巻きつき、見るからに手に負えない姿になってしまうんですよね。
ここで9月ごろにバッサリ切りたくなるお気持ちは、よくわかります。
ただ、藤の場合はこのタイミングの切り方ひとつで、翌年の花が大きく変わってしまいます。
川口市周辺でも「去年はたくさん咲いたのに、今年はほとんど咲かなかった」というご相談をよくいただきます。
お話を伺うと、秋口につるを付け根から全部切っていた、というケースがかなりの割合を占めるんです。
理由はシンプル。
藤の花芽(はなめ)は、夏のうちにもうできあがっているからです。
花芽とは、翌春に花になる芽のことです。
この記事では、花芽を残しながらつるを整える切り方と、12〜2月の冬剪定で仕上げる一年の流れを、私たち庭師の目線でお伝えします。

花芽はどこにある?ふくらんだ芽と細い芽の見分け方
花芽は「短い枝の付け根」に集まる
藤の枝には大きく分けて2種類あります。
ひとつは、ぐんぐん長く伸びる「つる(長枝)」です。
もうひとつは、つるの付け根や古い枝から出る、ずんぐりと短い枝(短枝)になります。
翌春に咲く花芽は、主にこの短い枝や、つるの付け根に近い部分にできます。
一方、長く伸びたつるの先のほうは、ほとんどが葉や新しいつるになる芽です。
つまり、切ってかまわないのは「長く伸びた先のほう」。
残すべきなのは「付け根と短い枝」ということになります。
ふっくら丸いのが花芽、細くとがっているのが葉芽
見分け方は、芽の形を見るのがいちばん確実です。
- 花芽:丸みがあり、ぷっくりとふくらんでいる
- 葉芽(はめ):細く小さく、先がとがっている
葉が落ちたあとの冬になると、この差がぐっと見やすくなります。
夏から秋は葉に隠れて判別しにくい時期です。
そのため、秋に無理に芽を選んで細かく切るのはおすすめしません。
お客様からよく聞かれるのが「じゃあ秋は触っちゃダメなの?」という質問です。
そんなことはありません。
切る場所さえ守れば大丈夫なんです。
9月のつるは「付け根を残して」整えるだけ
夏以降に伸びたつるをどうしても整えたいときは、つるの付け根を残し、先のほうだけを切るのが基本です。
付け根に近い部分には芽がいくつか並んでいます。
ここを何芽か残しておけば、花芽を守りながら見た目もすっきりさせられます。
自分でやって失敗するケースで多いのが、次の3つです。
- 棚の上をきれいにしたくて、短い枝までまとめて刈り込んでしまう
- 生垣と同じ感覚で、ヘッジトリマー(刈込機)で表面を平らにそろえてしまう
- つるを付け根からごっそり抜くように切ってしまう
どれも、せっかくできた花芽を落としてしまう切り方です。
とくに刈込機は要注意。
短い枝も長いつるも区別なく切れてしまうからです。
もうひとつ見落としがちなのが、ほかの木や雨どい、フェンスに巻きついたつる。
放っておくと食い込んで外れなくなることがあるので、巻きつきだけは早めに外して切っておくと安心です。

12〜2月の冬剪定で仕上げる、藤棚の年間の流れ
藤の剪定は「夏〜秋は軽く整える」「冬にしっかり仕上げる」の二段構えで考えると、ぐっとわかりやすくなります。
冬剪定(12〜2月)が本番
葉が落ちて、枝ぶりも芽の形もよく見える時期です。
この時期にやることは次のとおりです。
- ふくらんだ花芽を確認し、それを残すように切る位置を決める
- 長く伸びたつるは、付け根側の芽を数個残して切り詰める
- 棚からはみ出した枝、枯れ枝、込み合った枝を整理する
- 残したい枝は棚に沿わせて、ひもで固定し直す
この時期は木が休んでいるので、多少しっかり切っても負担が小さくて済みます。
藤の手入れで「この木は切りどきですね」と私たちが言うのは、たいていこの冬のタイミングです。
花後〜夏は「伸びすぎ」を抑える時期
花が終わったあとは、実(さや)を早めに取ると木の消耗を抑えられます。
その後に伸びてくるつるは、棚の形を崩さない範囲で先を軽く切っていきます。
ここで短い枝をしっかり残しておくと、夏のうちにその付け根で花芽が育ってくれます。
「花が咲かない」を4つの原因で切り分ける
藤が咲かない理由は、剪定だけとは限りません。
私たちが現地で確認するときは、次の順番で見ていきます。
| 原因 |
よくあるサイン |
見直すポイント |
| 夏以降の切りすぎ |
前の年は咲いていたのに、急に咲かなくなった |
秋は付け根と短い枝を残す。 本格的な剪定は12〜2月に |
| 肥料の窒素過多 |
葉とつるばかり勢いよく茂る |
葉を育てる窒素分の多い肥料や、芝生用肥料が根元にかかっていないか確認 |
| 日当たり不足 |
日陰側の枝だけ咲かない、花数が年々減る |
周りの木や建物の影を確認。 棚の上に日が当たるよう枝を整理 |
| 木がまだ若い |
植えてから一度も咲いていない |
株が充実するまで年数がかかることも。 無理に切らずに育てる |
意外と盲点なのが肥料です。
「元気がないから」と肥料をあげたら、つるばかり伸びて余計に咲かなくなった。
これもよくあるご相談のパターンです。
肥料の成分の中でも窒素は葉や茎を育てる働きが強く、多すぎると木が花より枝葉づくりを優先してしまいます。
日当たりも大切です。
川口市の住宅街では、藤棚を植えた当時より周りの建物や庭木が大きくなり、いつの間にか棚が日陰になっていることがあります。
花付きが年々減っているなら、剪定より先に日当たりを疑ってみてもいいかもしれません。

藤棚の手入れを業者に頼むときの費用の考え方
私たちの剪定料金は1本3,000円〜です。
ただ、藤棚は棚の広さやつるの量、高さによって作業量が大きく変わります。
そのため、現地を見てからお見積りを出しています。
お見積りは無料です。
切った枝葉は回収して持ち帰ります。
ただし、量が多い場合は運搬・処分料(3,000円〜/量に応じて)を別途申し受けます。
藤はつるの量がかさみやすい木なので、お見積りの段階でこの点もあわせてお伝えしています。
どの業者に頼む場合でも、見積りをもらったら処分費が含まれているかどうかは確認しておくと安心です。
あとから「処分は別でした」となると、行き違いのもとになってしまいます。
川口市・戸田市・蕨市・草加市・さいたま市南区・緑区の藤棚でお困りなら、まずは切り方の相談だけでもお気軽にどうぞ。
よくある質問
Q. 9月につるを切ってしまいました。来年はもう咲きませんか?
A. 付け根や短い枝が残っていれば、そこに花芽が残っている可能性は十分あります。
冬に葉が落ちたら、ふくらんだ芽があるか確かめてみてください。
短い枝まで刈り込んでしまった場合は、花数が減ることが多いです。
Q. 花芽と葉芽は、秋でも見分けられますか?
A. 慣れていれば見当はつきますが、葉に隠れて判別しにくい時期です。
確実なのは葉が落ちた12〜2月。
秋は「付け根と短い枝を残す」ことだけ守って、細かい芽の選別は冬に回すのがおすすめです。
Q. 肥料はあげたほうがいいですか?
A. 葉やつるばかり茂っているなら、まずは肥料を控えて様子を見てください。
窒素分の多い肥料や、近くの芝生・花壇にまいた肥料が根元に届いていないかも確認しておくといいと思います。
Q. 藤棚の剪定はどのくらいの頻度でやるものですか?
A. 基本は冬剪定を年1回しっかり行い、花後から夏にかけて伸びすぎたつるを軽く整える形です。
川口市周辺でも、この流れで管理している藤棚は花付きが安定しやすい印象があります。
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トップ写真:川口市・川口西公園(撮影:Souka Kinmei/CC0/出典:Wikimedia Commons)