「8月に伸びすぎた柿の枝、今のうちに切ってしまっていいですか」。川口市のお客様から、この時期いちばん多くいただくご相談です。結論から言うと、切っていい枝と、絶対に触らないほうがいい枝がはっきり分かれます。ここを間違えると、秋に実がボトボト落ちます。
柿は、庭木の中でもちょっと特殊な木なんです。花や葉を楽しむ木とちがって「実」というゴールがある。だから剪定も、実のスケジュールに合わせて二段構えで考える必要があります。

8月の柿に手を入れるなら「実に関係ない枝」だけ
8月の柿の木は、実が急速に大きくなっている真っ最中です。ピンポン玉くらいだったものが、9月に向けて一気に太っていく時期。木は今、蓄えた栄養を全部そっちに回しています。
この状態で枝を大きく落とすと、木は「あれ、栄養を作る葉が減ったぞ」と判断します。そうすると何が起きるか。木は自分が生き延びるほうを優先して、実を切り捨てるんです。これが生理落果と呼ばれる現象。人間から見ると「剪定したら実が落ちた」ですが、木の側からすると当然の判断なんですね。
では8月は何もしてはいけないのか。そんなことはありません。切っていい枝はあります。
- 徒長枝(真上にビュッと勢いよく伸びた枝)— 実がつかないのに栄養だけ食う枝です
- 幹や太い枝から直接出てきた細い芽(ひこばえ・胴吹き枝)
- 明らかに枯れている枝、折れかけている枝
- 内側に向かって伸びて、他の枝とこすれている枝
共通点、わかりますか。どれも実がついていない枝です。実がぶら下がっている枝には、8月は触らない。この一線さえ守れば、8月の作業は木にほとんど負担をかけません。
逆に言うと、8月にできるのはここまで。「全体を小さくしたい」「隣の家にはみ出しているから半分に詰めたい」といった本格的な作業は、冬まで待つのが正解です。
柿の本番は落葉後の12〜2月。ただし「花芽」の位置を知らないと来年実がゼロになる
柿の剪定適期は、葉が全部落ちた12月から2月。木が眠っている時期です。この時期なら大きく切っても木はほとんど痛みません。枝ぶりが丸見えなので、樹形も整えやすい。
ただ、ここに柿ならではの落とし穴があります。
柿の花芽は、その年に伸びた枝の「先端寄り」につきます。
これ、本当に重要なところ。よくあるのが、冬に「枝が伸びすぎたから」と全部の枝を同じ長さでバッサリ切りそろえてしまうケースです。見た目はスッキリします。でも翌年、実が一つもならない。花芽ごと全部切り落としてしまったからです。
お客様から「去年きれいに剪定したのに、今年まったく実がつかなくて」とご相談を受けることがあります。原因はほぼこれ。悪気なく、むしろ丁寧にやった結果、というのが切ないところなんです。
私たちが冬に柿を切るときは、枝を一本ずつ見て「この枝は残す、この枝は付け根から抜く」と判断していきます。先端を軽く詰めるのではなく、いらない枝を根元から丸ごと外す。これが柿の基本です。残した枝の花芽は無傷なので、翌年ちゃんと実がなります。

もうひとつ、柿は隔年結果といって「たくさん実る年」と「ほとんど実らない年」を繰り返す性質があります。実がなりすぎた年は木が疲れて、翌年サボる。冬の剪定で枝の数を適切に整理しておくと、この波がかなり穏やかになります。毎年そこそこ採れる木にしたいなら、冬の作業が効いてくるということですね。
8月にやっておくと秋の台風被害が減る「枝の負担軽減」
柿の木、実は枝がとても折れやすい木です。材が脆くて、粘りがない。ここは覚えておいて損はありません。
先日、川口市内のお宅で作業した際、太さ5cmほどの枝が根元からベリッと裂けているのを見つけました。実が20個ほどついた枝が、前の週の強風で耐えられなかったんですね。裂けた断面から雨水が入ると、そこから腐りが幹まで進みます。木にとっては、剪定よりよほど大きなダメージ。
柿の実は1個200g前後。20個つけば4kg、それが強風で振り回されるわけです。しかも9月から10月にかけて、実はさらに重くなる。台風シーズンと重なるのが、本当に厄介なところなんです。
だから8月にやる価値があるのは、切ることそのものより「重さと風の抜けを整えること」だと私たちは考えています。
- 徒長枝を抜いて、枝の中に風が通るようにする(葉が茂りすぎた木は風を受け止める帆になります)
- 実がつきすぎた枝は、小さい実・傷んだ実を落として重量を減らす(摘果といいます)
- すでに垂れ下がって危ない枝は支柱で支える
- 屋根や電線、隣家に触れている枝は先に処理しておく
川口市は住宅が密集しているエリアが多く、柿の枝が隣家の敷地や駐車場に張り出しているお宅が珍しくありません。枝が裂けて落ちてからでは、木の問題ではなくご近所の問題になってしまいます。ここは早めがいいと思います。
時期別・柿の木の作業内容と目安
柿の一年を、作業の観点で整理するとこうなります。
| 時期 |
できる作業 |
やってはいけないこと |
3m前後の木の作業時間目安 |
12〜2月 (落葉後・適期) |
本格的な切り戻し、樹形づくり、太枝の整理、間引き |
全枝を同じ長さで切りそろえる(花芽が消えます) |
約2〜3時間 |
3〜4月 (芽吹き前後) |
枯れ枝の除去程度 |
強い剪定。樹液が動き始めており切り口が塞がりにくい |
約30分〜1時間 |
| 6〜7月 |
摘果、徒長枝の整理 |
実のついた枝を落とす |
約1〜2時間 |
8〜9月 (実の肥大期) |
徒長枝・ひこばえの整理、風通し確保、危険枝の処理 |
強剪定全般。実が落ちます |
約1〜2時間 |
10〜11月 (収穫期) |
収穫、枯れ枝の除去 |
大きな剪定。葉がまだ働いています |
約1時間 |
お庭の便利屋トムズの剪定料金は1本3,000円〜、お見積りは無料です。柿の場合は木の高さ、実のつき方、隣家との距離、脚立が立てられる足場かどうかで作業内容が変わります。一度現地を見せていただくのが確実だと思います。

自分でやって失敗しやすいポイント
ご自身で柿を切る方も多いので、現場でよく見る失敗を挙げておきます。
脚立を実のついた側に立てる。これ、地味に危ないんです。柿は枝が折れやすいので、体重を預けた枝がいきなり裂けます。特に8月は実の重みで枝がすでに限界近くまで撓んでいる状態。
太い枝を一発で切ろうとする。途中で枝の重みで裂けて、幹の樹皮まで縦にベリッと剥がれます。太枝は下から浅く切り込みを入れてから、上から落とす。これだけで裂けません。
切り口を放置する。直径3cmを超える切り口は、癒合剤(切り口用の保護剤)を塗っておくと腐りが入りにくくなります。柿は特に腐りやすい木なので、ここは手間をかける価値があります。
そして最後に。「実がならないから」と冬に丸坊主にする。実がならない原因が花芽の切りすぎだった場合、丸坊主にするともう一年ゼロが続きます。悪循環なんですね。
よくあるご質問
8月に伸びすぎた枝を切ったら、もう実は落ちますか?
実のついていない徒長枝だけなら、まず問題ありません。落ちるのは、実がぶら下がっている枝や葉を大量に落としたときです。目安として、木全体の葉の2割以上を一度に落とすと影響が出やすいと考えていただくといいと思います。
柿の木が大きくなりすぎました。低くできますか?
できます。ただし高さを大きく下げる作業は、落葉後の12〜2月に行うのが安全です。8月に無理に低くすると、実が落ちるだけでなく、露出した幹や太枝が直射日光で焼けてしまうことがあります。夏の日焼けは樹皮が割れる原因にもなるんです。
剪定したら翌年まったく実がつきませんでした。もう直りませんか?
直ります。花芽を切ってしまったのが原因なら、その年に伸びた枝を残しておけば翌年には花芽がつきます。焦って再度切りそろえてしまうのが一番よくないパターン。一年、枝を伸ばさせてあげてください。
川口市内で、隣の家に枝が出ている柿はどう扱われますか?
越境している枝は原則として早めに処理したほうがいい部分です。特に柿は実が落ちて路面や車を汚すことがあり、トラブルになりやすい木でもあります。私たちが伺う際も、隣家側にはみ出した枝から先に見せていただくことが多いですね。作業時に一声かけておくだけで、その後の関係がずいぶん変わります。
古い柿で、実が小さく渋くなってきました。
枝が混み合って日当たりが落ちているケースが多いです。冬に思い切って枝を間引くと、翌年から実の大きさが戻ることがあります。ただし品種によってもともと渋柿というものもあるので、その場合は剪定では変わりません。木の状態を見れば、どちらなのかはだいたい判断できます。
まとめると
柿の剪定は、8月と冬で役割がまったく違います。8月は「実を守るための最低限の整理」。冬は「来年の実を決める本番」。この二段構えを意識するだけで、毎年そこそこ実る木になっていきます。
柿は手をかけた分だけ返してくれる木だと思います。川口市とその周辺で柿の木のことでお困りでしたら、現地で状態を見ながらご説明します。木を見れば、これまでどう切られてきたかも、だいたいわかるものなんです。
お庭のこと、まずはお気軽にご相談ください
見積り無料・出張費無料・キャンセル料無料
メールでのお問い合わせはこちら →
受付時間: 8:00〜20:00(LINE・メール24時間対応)