9月にイチョウを切っても、今年の銀杏は止まりません
川口市でイチョウのご相談をいただくのは、決まってこの時期です。
「実が落ち始めた」「においで近所に気をつかう」「今から切れば間に合いますか」。
お気持ちはよくわかります。
ただ、先にいちばん大事なところをお伝えしておきます。
今年の銀杏は、もう止められません。
理由は、イチョウの実のでき方にあります。
銀杏がなるのは雌株だけで、その年に実をつけるかどうかは春の受粉でとっくに決まっているんです。
イチョウの開花は4月ごろ。
雄株から飛んだ花粉が雌花にたどり着いた時点で、今年の実の「予約」は完了しています。
9月に枝を落としたところで、すでに枝についているものが消えるわけではありません。
おもしろいのは、イチョウは受粉してすぐ受精するわけではないという点。
花粉は雌花の中でじっくり時間をかけて精子をつくり、受精が起こるのは秋口です。
この「イチョウの精子」は明治時代に日本で発見された有名な話で、植物の世界ではかなり特殊な部類。
つまり9月というのは、実を止める時期ではなく、中身が仕上がっていく時期なんですね。
ですから、今年の対処と来年以降の対処は、そもそも別の話として切り分ける必要があります。
ここを一緒くたにしたまま慌てて強く切ってしまうと、銀杏は止まらないのに樹形だけ崩れる、という一番もったいない結果になりかねません。

今年の落果とにおいは「清掃と搬出」で乗り切る
では今年はどうするか。
身も蓋もない言い方ですが、落ちたものを片づけるしかありません。
あのにおいの正体は、実の外側のやわらかい部分(外種皮)に含まれる成分です。
バターが古くなったような、あるいは足の裏のような、と表現される独特のにおい。
これは実が熟して潰れることで一気に出ます。
つまり落ちてから時間が経つほど、においも汚れも悪化する。
こまめに拾うのが結局いちばん効きます。
作業のときに、これだけは守っていただきたいことがあります。
素手で触らないでください。
イチョウの外種皮には、ウルシと同じ系統のかぶれを起こす成分が含まれています。
体質によっては、触った手で顔をこすっただけで赤く腫れてしまう方も。
よくあるのが、「去年は平気だったから」と軍手なしで拾ってしまうケースです。
かぶれは前回平気だったことを保証してくれません。
ゴム手袋、できれば長袖。
これだけで全然違います。
それと、川口市のように住宅が密集している地域で本当に厄介なのが、道路や駐車場に落ちた実です。
踏み潰されると路面がぬるつき、においが染みつき、車のタイヤで敷地内まで運ばれる。
先日も川口市内で作業させていただいたお宅で、門扉のまわりだけ何度洗ってもにおいが取れないというご相談を受けました。
原因は目地に入り込んだ果肉でした。
あれは水で流すだけでは抜けません。
私たちがこの時期にお受けする作業も、剪定というより「落ちたものの回収と搬出」が中心になります。
拾い集めた実や落ち葉は回収して持ち帰りますが、量が多い場合は運搬・処分料(3,000円〜/量に応じて)を別途申し受けています。
イチョウの実は水分を含んで意外と重いので、袋の数は見た目より増えると思っておいてください。

来年の銀杏を減らすなら、落葉後11〜3月が勝負
ここからが本題です。
銀杏を減らしたいなら、狙うのは落葉が終わった11月下旬から3月までの休眠期。
葉が全部落ちて枝の形が丸見えになる、あの時期です。
この時期をおすすめする理由は、大きく三つあります。
- 枝ぶりが完全に見える——葉がないので、どの枝に実がついていたかが一目でわかります。
狙って落とせる
- 木への負担が軽い——成長が止まっている時期なので、多少しっかり切っても木が弱りにくい
- 春の受粉に間に合う——4月の開花より前に処理できるので、翌年の実にちゃんと効きます
そして、切る場所にコツがあります。
イチョウの枝には、ぐんぐん伸びる枝(長枝)と、年に数ミリしか伸びない短い枝(短枝)の二種類があります。
銀杏がなるのは、この短枝のほう。
ずんぐりして、年輪のような皺が寄った、いかにも「歳を取った枝」です。
この短枝を抜いていくのが、実を減らす剪定の核心。
逆に言えば、外側の若い枝だけをパチパチ刈り込んでも、実のつく枝は残ったままなので効果は薄いんです。
これ、意外と盲点。
時期による違いを整理すると、こうなります。
| 項目 |
9〜10月に切る |
落葉後11〜3月に切る |
| 今年の銀杏 |
止まらない(春に決定済み) |
すでに落果済みで対象外 |
| 翌年の銀杏 |
効果は限定的 |
短枝を抜けば確実に減らせる |
| 枝の見やすさ |
葉が茂って見えにくい |
枝が丸見えで狙って切れる |
| 木への負担 |
成長期なので大きい |
休眠中で小さい |
| ゴミの量 |
葉+実で非常に多い |
枝が中心で比較的少ない |
| 向いている作業 |
落果の清掃・軽い枝抜き |
本格的な剪定・樹高の調整 |
なお、「実を完全にゼロにしたい」というご要望もよくいただきます。
正直に申し上げると、剪定で減らすことはできても、雌株である限りゼロは難しいと思います。
どうしてもという場合は伐採か、根元から更新するかの判断になります。
そこは木の状態とご希望を見ながら、一緒に考えさせてください。
ちなみに「葉の切れ込みが深いのが雄株」という見分け方を聞くことがありますが、現場ではあまり当てになりません。
実がなったかどうかが、いちばん確実な答えです。
川口市でイチョウの剪定を依頼するときの費用の考え方
費用の話をします。
イチョウの剪定料金が何で決まるかというと、ほぼ樹高です。
3m未満なら脚立で届く範囲なので、作業としては比較的シンプル。
3〜5mになると足場の取り方に気をつかい、時間も倍近くかかってきます。
5mを超えると、木に登るか高所作業車が必要になり、さらに隣家や電線との距離という別の条件が加わります。
同じ「イチョウ1本」でも、中身がまるで違うわけです。
私たちの剪定は1本3,000円〜。
樹高や枝の量、周囲の状況で変わりますので、お見積りは無料でお出ししています。
イチョウは成長が早く、気づくと屋根を越えている木も珍しくありません。
写真でざっくり、というのも難しい樹種なので、実際に見せていただくのが確実です。
もうひとつ、必ず確認していただきたいのが処分費。
切った枝葉や銀杏は私たちが回収して持ち帰りますが、量が多い場合は運搬・処分料(3,000円〜/量に応じて)を別途申し受けます。
イチョウは葉が小さいわりに枚数が多く、枝も水分を含んで重い樹種。
ここを見積り時にはっきりさせておかないと、後から金額が動いて気まずいことになります。
これは私たちに限った話ではなく、どの業者さんに頼む場合でも同じです。
「この金額に処分費は入っていますか」と一度聞いておく。それだけでトラブルはほぼ防げます。
安く見えた見積りに処分費が含まれていなかった、というのは本当によくある話なので。
また、川口市をはじめ戸田市・蕨市・草加市・さいたま市南区・緑区あたりは住宅が密集しているエリアが多く、道路使用や近隣への配慮が必要な現場もあります。
「切って終わり」ではなく、そのあたりまで含めて段取りを組むのが私たちの仕事だと思っています。

よくあるご質問
Q. 今から枝を全部落とせば、今年の銀杏は止まりますか?
実のついた枝ごと落とせば、その枝の分は落ちません。
ただし今年の実はすでに枝についているため、止めるには相当な量を切ることになります。
樹形は大きく崩れ、木への負担も残暑の時期は重い。
結果として翌年に徒長した枝が暴れることも多く、私たちはおすすめしていません。
今年は清掃で乗り切り、冬に整えるのが現実的だと思います。
Q. 銀杏を拾って食べたいのですが、剪定したらなくなりますか?
意外とこのご相談も多いんです。
実を楽しみにされている方は、短枝を全部抜いてしまうと本当に採れなくなります。
その場合は「量を減らしつつ残す」剪定になりますので、見積りの際に必ずお伝えください。
切ってしまってからでは戻せませんので。
Q. 11〜3月といっても、いつが一番いいですか?
葉が完全に落ちきってから、芽が動き出す前まで。
目安としては12月から2月あたりが落ち着いて作業できます。
3月に入ると芽が膨らみ始めるので、そうなる前に済ませたいところ。
川口市周辺は年内に落葉が終わる木がほとんどなので、年末から冬の間にご相談いただくのがちょうどいいかもしれません。
Q. 自分で剪定してもいいですか?
低い木で、脚立が安定して置ける場所なら可能だと思います。
ただ自分でやって失敗するケースで多いのが、「太い枝を中途半端な位置で切ってしまう」パターン。
イチョウは萌芽力が強いので、切り方を誤るとそこから細い枝が何十本も噴き出して、翌年もっと手がつけられなくなります。
あとは脚立からの転落。
これが一番怖いです。
無理はなさらないでください。
Q. 落ちた銀杏の掃除だけお願いできますか?
できます。
剪定とセットでなくても構いません。
回収したものは持ち帰りますが、量が多い場合は運搬・処分料(3,000円〜/量に応じて)を別途いただきます。
毎年この時期に苦労されているようでしたら、清掃と合わせて冬の剪定計画までご相談いただくと、来年がぐっと楽になりますよ。
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