8月のモッコク、強く切ると枝が枯れます
先に結論からお伝えします。モッコク(もっこく|ツヤのある厚い葉をもつ常緑樹|「木斛」=木に咲く斛=ランのような花、の意)を8月に強く刈り込むのは、おすすめできません。切ってすぐは涼しげに見えるのですが、2〜3週間後に枝先から茶色く枯れ込んでくることがあるんです。
これ、川口市内でも本当によくあります。
お盆前にお庭をさっぱりさせたい。その気持ちはよく分かります。ただモッコクは「庭木の王」と呼ばれるだけあって、姿は最高に美しい代わりに、扱いには少し気を遣う木でもあります。私たちが川口市でご相談を受けるときも、8月は軽く整える程度に留めて、本格的な剪定は9〜10月にご案内することがほとんどです。

なぜ真夏の強剪定でモッコクは傷むのか
1. 水を吸う量と、逃げていく量のバランスが崩れる
木は葉の裏から水を蒸発させています。蒸散(じょうさん|葉から水が空気中へ抜けること|「蒸」=むす・「散」=ちる)といいます。この蒸散があるから根が水を吸い上げられる。ポンプの役割ですね。
ところが真夏に葉を一気に落とすと、そのポンプが急に弱まります。地面はカラカラ、根の先も傷みやすい時期。吸う力も落ちている。そこへ切り口という「乾く傷」がいくつも増えるわけです。結果、細い枝先から順に水が回らなくなる。これが夏の枝枯れの正体だと考えていただくといいかもしれません。
2. 内側の葉と幹が、いきなり直射日光に晒される
モッコクの葉は厚くて光沢があるので、暑さに強そうに見えますよね。実際、外側の葉は強い。ただし木の内側でずっと日陰にあった葉と幹は話が別です。
急に上から強く抜いて風通しを良くしすぎると、これまで守られていた部分が真夏の直射を浴びます。葉焼け(はやけ|葉が焼けて褐色になる現象)だけでなく、幹の皮が縦に割れる幹焼けを起こすこともある。7月の終わりに川口市内のお宅で拝見したモッコクは、前年の夏に上部を強く抜かれていて、主幹の南向き側だけ樹皮が荒れていました。あれは元に戻すのに何年もかかります。
3. 切り口から乾き、虫を呼ぶ
モッコクは成長がゆっくりな木です。太い枝を落とすと、切り口が塞がるまでに時間がかかる。夏場はそこから乾燥が進み、カミキリムシの仲間が産卵する足がかりにもなります。
もうひとつ、夏に多いのがカイガラムシとハマキムシ。葉がベタついて黒くすすけていたら、すす病(カイガラムシの排せつ物にカビが生える症状)を疑ってください。この状態で強剪定を重ねると、木は「傷を治す」「虫に耐える」「暑さをしのぐ」を同時にやることになります。負担が大きすぎる。
8月にやっていいのは「徒長枝の軽い透かし」まで
とはいえ、8月に何もできないわけではありません。夏にぴゅんと勢いよく伸びた枝——徒長枝(とちょうし|真っ直ぐ長く突き出た勢いの強い枝)——を数本抜く程度なら、木への負担はほとんどありません。むしろ風通しが良くなって、カイガラムシの予防にもなります。
目安はシンプルです。樹冠(じゅかん|枝葉が茂っている外周部分)の輪郭から飛び出した枝だけを、付け根から抜く。輪郭の内側には手を入れない。これだけ守れば、夏でも安全に整えられます。
逆に、絶対に避けていただきたいのがバリカン(刈込機)での丸刈り。モッコクの葉は厚いので、機械で切ると葉が真っ二つになり、断面が茶色く枯れて残ります。遠目にも汚い。自分でやって失敗するケースで一番多いのが、これです。モッコクは1枝ずつ手で透かす木、と覚えておいてください。

| 時期 |
できる作業 |
木への負担 |
費用の目安(1本) |
| 7〜8月(真夏) |
徒長枝の軽い透かしのみ。強剪定・刈り込みは不可 |
軽作業なら小/強剪定は大 |
3,000円〜(軽作業) |
| 9〜10月(適期) |
本剪定。全体の透かし・樹形の作り直し・高さ詰め |
小 |
3,000円〜(高さで変動) |
| 11〜2月(厳寒期) |
枯れ枝の除去程度。強く切ると寒さで傷む |
中〜大 |
3,000円〜(軽作業) |
| 3〜4月 |
新芽が動く前の整枝。9〜10月に次ぐ適期 |
小 |
3,000円〜(高さで変動) |
9〜10月をおすすめする理由は、暑さのピークを越えて木の消耗が止まること。そして冬が来るまでに切り口が落ち着く時間があることです。この2つが同時に成立するのが、関東ではちょうど秋のあいだなんですね。11月を過ぎると今度は寒さで傷むので、川口市あたりだと10月いっぱいがひとつの区切りだと思います。
川口市でモッコクの剪定を業者に依頼するときの費用相場
お客様からよく聞かれるのが「モッコク1本だけでも来てもらえますか」というご質問。もちろん伺います。ただ、費用は木の高さと、脚立で届くかどうかで大きく変わります。
お庭の便利屋トムズの場合、剪定は1本3,000円〜。見積りは無料です。一般的な植木屋さんの相場としては、高さでこのくらいの幅を見ておかれるといいと思います。
- 3m未満(脚立で届く高さ):3,000〜6,000円程度
- 3〜5m(脚立+足場の工夫が必要):7,000〜15,000円程度
- 5m超(高所作業):15,000円〜。本数や隣家との距離で変動
- 別途かかりやすいもの:枝葉の処分費、消毒(カイガラムシ対策)
ここで一点だけ。何年も放置したモッコクを一度で理想の高さまで詰めるのは、木にとって負担が大きすぎます。私たちは2回に分けるご提案をすることがあります。今年の秋に骨格を整えて、来年の秋で仕上げる。急がば回れ、で結果的に枝枯れを起こさず美しくなります。
年2回(春・秋)の剪定で維持されている川口市のお客様も多いですね。放置して大きくしてから直すより、こまめに入れたほうが1回あたりの費用は抑えられます。意外と盲点。

よくあるご質問
Q. 8月に切ってしまいました。もう手遅れですか?
いいえ、まだできることがあります。まず水やり。朝か夕方に、根元へたっぷりと。日中の暑い時間は避けてください。そして秋まで追加で切らないことです。枝先が茶色くなっても、その内側から新しい芽が動くことは珍しくありません。慌てて枯れた部分を切り戻すより、9月末まで様子を見ていただくほうが安全だと思います。
Q. モッコクの葉がベタベタして、下の地面まで黒くなっています
カイガラムシとすす病の可能性が高いです。剪定で風通しを良くすることが第一の対策になりますが、数が多いと薬剤による消毒が必要になります。剪定と同時にご依頼いただくと効率がいいですね。
Q. 何年も放置して5mを超えてしまいました。低くできますか?
できます。ただし前述のとおり、一度で詰めきらず2回に分けるほうが安全です。また5mを超えると隣家やお隣の敷地へ枝が越境しているケースが多く、そこの調整も含めてご相談いただければと思います。川口市は住宅が密集した地域も多いので、越境のご相談は実際よく受けます。
Q. 剪定した枝は自分で処分しないといけませんか?
お庭の便利屋トムズでは処分まで承ります。モッコクの枝葉は水分が多く重いので、ご自身で袋詰めして自治体の回収に出すとなると、かなりの量になります。ここは任せていただいたほうが楽だと思います。
Q. 剪定と消毒、どちらを先にやるべきですか?
基本は剪定が先です。混み合った枝の中に薬をかけても、内側まで届きません。透かして風と光を入れてから消毒する。この順番のほうが、少ない薬量で効きます。
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