ツバキとサザンカにだけ、あの毛虫がつく理由
川口市でお庭の相談をいただくなかで、夏に一番多いのがこれです。
「庭に出たら腕が真っ赤になって、痒みが一週間止まらない」。
犯人はほぼチャドクガ。
そして刺された場所の近くには、たいていツバキかサザンカが植わっています。
これ、偶然じゃないんです。
チャドクガの幼虫が食べる葉は、ツバキ科の植物にほぼ限られます。
ツバキ、サザンカ、そしてお茶の木。
だからサクラやモミジがどれだけ茂っていても、この毛虫は基本的につきません。
逆に言えば、お庭にツバキかサザンカが一本でもあれば、その木が発生源です。
周りをいくら消毒しても、木そのものを手入れしないかぎり毎年同じことが起きます。
やっかいなのは毒の正体が「毛」だということ。
幼虫一匹の体には、目に見えないほど細い毒針毛が数十万本ついています。
長さは0.1mmほど。
これが風で飛ぶ。
だから毛虫に触っていなくても、木のそばを通っただけで、干していた洗濯物を取り込んだだけで、症状が出ます。
お客様から「触ってないのになんで」と聞かれるたびに、この話をしています。
しかもこの毒針毛、幼虫が死んでも残ります。
抜け殻にも、成虫にも、卵を覆う毛にも。
殺虫剤をまいて終わり、にならない理由がここにあります。

8月の大発生は、7月の枝で決まる
チャドクガは、川口市を含む南関東では年に2回出ます。
1回目が5月前後。
2回目が8月前後。
被害の相談が集中するのは、圧倒的に2回目です。
なぜ2回目のほうがひどいのか。
数が違うからです。
春に出た幼虫が育って蛾になり、6月下旬から7月にかけて産卵します。
産みつけられる場所は葉の裏。
卵は黄褐色の毛でびっしり覆われていて、パッと見はただの汚れか枯れ葉のかたまりに見えます。
この卵塊ひとつから、数十から百匹単位の幼虫が一斉に孵る。
それが8月です。
つまり7月の時点では、来月大発生する分の卵が、もう葉の裏についている。
ここが分かれ道なんです。
卵のうちなら、枝ごと落として袋に密閉するだけで終わります。
まだ動かない、散らばらない、風で飛ぶ量も少ない。
これが孵化して幼虫が枝いっぱいに並んだあとだと、作業の難易度が跳ね上がります。
私たちが7月にツバキ・サザンカの手を入れるとき、やっているのは主に3つ。
- 葉裏を一枚ずつ確認して、卵塊のついた枝を切り落とす
- 内側で込み合った枝を抜いて、株の中に光と風を通す(透かし剪定)
- 切った枝葉をその場で袋に入れて密閉し、庭に残さない
2つめの「風を通す」が効きます。
チャドクガの幼虫は、日が当たらず湿った葉の裏を好みます。
枝が密集して内側が暗くなっている木ほど、卵を産みつけられやすい。
逆に、内部がスカスカで風が抜ける木は、同じ庭でも被害が軽いことが多いです。
ただし、7月に刈り込んではいけません
ここは大事なので、はっきり書きます。
ツバキもサザンカも、翌年に咲く花の芽を6月から7月にかけてつくります。
つまり7月の枝先には、来年の蕾がもう仕込まれている。
この時期にバリカンで表面をザッと刈り込むと、毒虫は減っても翌年の花がごっそり消えます。
「去年業者に切ってもらったら、今年ぜんぜん咲かなかった」。
川口市内でも、このご相談を何度か受けています。
7月にやるのはあくまで枝を「抜く」透かし作業。
形を整える強い剪定は、花が終わった直後の3月下旬から4月にやる。
この使い分けが、樹種を分かっているかどうかの差だと思います。

自分でやって失敗するケースで、圧倒的に多いこと
先日、川口市内のお宅で伺った話です。
奥様がサザンカの生垣に毛虫を見つけて、殺虫スプレーを吹きかけた。
翌日には毛虫は全部落ちていたので、ほうきで掃いて片づけた。
その二日後、腕と首に発疹が出て皮膚科へ。
これ、本当によくあるんです。
殺虫剤で駆除すること自体は間違っていません。
問題はそのあと。
死骸にも毒針毛はそのまま残っています。ほうきで掃くと毛が舞い上がって、風下にいる自分にかかる。
掃き掃除が一番危ない、というのは意外と知られていません。
自分で対処される場合に、私たちがお伝えしているのはこのあたりです。
- 作業は必ず風のない日の朝。
長袖・手袋・ゴーグル、首にはタオル
- 葉ごと切って、そのままビニール袋へ。
地面に落とさない
- 掃かない、はたかない。
落ちたものは濡らした新聞紙をかぶせて拾う
- 作業着はその日のうちに、他の洗濯物と分けて洗う
- 洗濯物・布団は、作業した日は外に干さない
そして、もし毛が皮膚についたら。
こすらないでください。
ガムテープを軽く当てて毛を取り、そのあと流水で流す。
こすると毛が皮膚に刺さり込んで、痒みが長引きます。
症状が出たら早めに皮膚科へ。
脚立を使う高さの木、生垣で長さがある場合は、正直おすすめしません。
片手で脚立、片手でハサミ、その状態で毛虫が落ちてくると人は必ずのけぞります。
落下事故のほうが毛虫より怖い、というのが現場の感覚です。
「発生前に剪定」と「発生後に駆除」、費用はどう違うか
お客様によく聞かれるのが、結局どっちが安いのか、という話です。
整理するとこうなります。
| 比較項目 |
7月:発生前の透かし剪定 |
8月以降:発生後の駆除 |
| 作業の内容 |
卵塊のついた枝を除去+風通しの確保 |
薬剤散布+被害葉の除去+残骸の回収 |
| 作業時間の目安 |
2m前後のツバキ1本で30分〜1時間程度 |
同じ木でも1.5〜2倍かかることが多い |
| 費用の目安 |
剪定1本3,000円〜(トムズの場合) |
剪定費に消毒費が別途加算 |
| その年の被害 |
大幅に減らせる |
すでに刺された後のことが多い |
| 翌年への影響 |
風通しが残るので発生しにくくなる |
木の状態は変わらず、翌年も同じ |
| 樹への負担 |
軽い(花芽を残す透かしのため) |
薬剤散布のみなら負担は小さい |
金額だけ見れば、消毒一回のほうが安く済む年もあります。
ただ、消毒は「今いる虫を殺す」作業なので、来年また同じ時期に同じことをする必要が出てきます。
透かし剪定は木の構造そのものを変えるので、翌年以降も効きつづける。
私たちが7月の剪定をおすすめするのは、そこが理由です。
なお費用は木の高さ・本数・搬出する枝葉の量で変わります。
生垣なら長さと高さでの見積りになります。
トムズでは見積りは無料で出していますので、金額を知ってから決めていただければと思います。

よくあるご質問
7月に剪定すると、翌年の花は咲かなくなりますか?
刈り込めば咲きません。
抜けば咲きます。
7月の作業は、内側の込み合った枝や卵塊のついた枝を選んで抜く「透かし」なので、枝先の花芽は大部分が残ります。
全体の形を大きく変える剪定をご希望の場合は、花が終わった3月下旬から4月に改めてお伺いするかたちをおすすめしています。
もう毛虫が大量についていますが、その状態でも来てもらえますか?
大丈夫です。
むしろその状態のほうが多いです。
防護装備で作業し、切った枝葉は密閉して持ち帰ります。
ご家族が刺されないよう、作業当日は窓を閉めて、洗濯物を室内に取り込んでおいていただけると安心です。
剪定はいらないので、消毒だけお願いできますか?
消毒のみの対応も承っています。
ただ、枝が密集して内側が見えない木は、薬剤が奥まで届きにくいのが実情です。
透かして風の通り道をつくったうえで散布したほうが、同じ薬でも効きがまるで違います。
木の状態を見て、どちらが向いているかはお伝えするようにしています。
触ってしまいました。すぐやるべきことは?
こすらないこと。
これが一番です。
ガムテープや粘着ローラーを軽く当てて毒針毛を取り除き、そのあと流水で洗い流します。
かゆみが強い場合や広がる場合は、市販薬で粘らず皮膚科を受診してください。
着ていた服は他の洗濯物と分けて洗ってください。
川口市以外でも来てもらえますか?
川口市を中心に、戸田市、蕨市、草加市、さいたま市南区・緑区まで伺っています。
エリアの境目あたりで迷われたら、ご相談いただければ判断します。
トムズの施工事例
富士見市・シャラ・椿の剪定
作業前
作業後
富士見市にて、二階の窓前まで伸びて隣地側にも枝を広げていたシャラと椿を剪定。
丈を詰めたうえで枝数を減らし、足元の低木も高さを揃えて、建物際の風通しと窓まわりの明るさを取り戻しました。
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