収穫期の10月に「うちの柚子は実がならない」と気づいたら、まず原因を3つに分けます
10月に入ると、あちこちの庭の柚子が黄色く色づきはじめます。
ご近所の木は実でいっぱいなのに、うちの木は青い葉とトゲばかり。
この時期に一番多いのが、そんなご相談です。
川口市の庭でも、柚子は昔から植えられてきた木です。
ただ、「実がならない」理由はひとつではありません。
肥料や水やりを疑う前に、原因を次の3つに分けてみてください。
- 木の生まれ:種から育った「実生(みしょう)」の木か、実がなる性質の枝をつないだ「接ぎ木」の苗か
- 枝の混み:内側の枝が絡み合っていないか、真上へ伸びる勢いの強い枝(徒長枝)ばかりになっていないか
- 隔年結果(かくねんけっか):たくさん実った翌年に、実が減っていないか
この3つは、打つ手がまったく違います。
枝の混みなら剪定で変わりますが、実生の木は切り方を変えても時間がかかります。
まずどれに当てはまるかを見ていきましょう。

種から育った実生の木か、接ぎ木の苗かを見分ける手順
株元に「継ぎ目のこぶ」があるかを探す
最初に見てほしいのは株元です。
園芸店やホームセンターで売られている柚子の苗は、ほとんどが接ぎ木です。
別の木(台木)の根に柚子の枝をつないで育てるので、地面に近いところに段差やこぶのような継ぎ目が残ります。
この継ぎ目が見つからない場合は、食べた柚子の種をまいた木や、こぼれた種から自然に生えた木かもしれません。
「おじいさんの代からある木で、由来は分からない」というお宅も多いですよね。
トゲが長くて鋭く、枝が真上へ立つ木は実生を疑う
実生の柚子は、若いうちはトゲが長く鋭くなりやすく、枝も上へ上へと伸びる傾向があります。
この時期の木は、体を大きくすることに力を使っていて、花をつける段階にまだ入っていないんです。
「桃栗三年柿八年、柚子の大馬鹿十八年」ということわざがあるほどで、種から育てた柚子は実がなるまで長い年月がかかる木として知られています。
年数はあくまで言い伝えですが、接ぎ木の苗より実がなるまでずっと長くかかる、という点は覚えておいてください。
実生の木で「早く実をつけさせたい」と強く切り詰めると、かえって勢いのある枝が増えて逆効果になることもあります。
この場合は、混んだ枝を整理しながら待つか、接ぎ木の苗に植え替えるかを考えることになります。
株元から出る「葉の形が違う枝」は根元から外す
意外と盲点なのがこれです。
接ぎ木の柚子でも、継ぎ目より下の台木から枝が出てくることがあります。
これを台芽(だいめ)と呼びます。
柑橘の台木にはカラタチがよく使われ、カラタチの葉は3枚の小さな葉が1組になった形をしています。
柚子の葉とは明らかに違うので、株元をよく見ると分かるはずです。
台芽は勢いが強く、放っておくと柚子の枝より大きく育ってしまいます。
こうなると、木の上半分は「実のならない台木の枝」ということも。
台芽は先だけ切ってもまた出てくるので、出ている付け根からきれいに外すのが基本です。
| 見えている様子 |
考えられる原因 |
やること |
| 株元に継ぎ目がなく、トゲが長く枝が真上に立つ |
種から育った実生の木 |
強く切り詰めず、混んだ枝の整理にとどめて待つ。 早く収穫したいなら接ぎ木苗への植え替えも検討 |
| 株元から3枚1組の葉の枝が出ている |
台木から出た台芽が育っている |
台芽を付け根から外す |
| 内側が暗く、細い枝が絡み合っている |
枝の混み(日が当たらず花がつきにくい) |
2〜3月に枯れ枝・内向きの枝・交差した枝を間引く |
| 真上に勢いよく伸びる太い枝が何本もある |
徒長枝ばかりで花のつく枝が少ない |
付け根から間引くか、残す場合は向きと本数を整理する |
| 前の年は鈴なりで、今年は数えるほど |
隔年結果 |
実った年に実の数を減らし、翌年に力を残す |
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混んだ枝と真上に伸びる徒長枝、たくさん実った翌年に減る隔年結果の見分け方
木の内側が暗く、葉の少ない枝が絡んでいる
接ぎ木で継ぎ目もちゃんとある。
それなのに実がならない。
そんな木で一番よくあるのが、枝の混みです。
柚子は常緑樹なので、冬でも葉が落ちません。
数年手を入れずにいると、外側の葉が日差しをふさいで、内側は昼でも薄暗くなります。
日の当たらない枝には花がつきにくく、実がなるのは外側の一部だけ、ということが起こるんです。
木の中をのぞき込んで、向こう側の空が見えないようなら混みすぎのサインだと思います。
真上に勢いよく伸びる徒長枝には花がつきにくい
もうひとつの目印が徒長枝(とちょうし)です。
ほかの枝よりも太く、まっすぐ真上へ伸びて、葉と葉のあいだが間延びしている枝のことです。
徒長枝は木の勢いを使って伸びるので、花がつきにくい枝です。
しかもトゲが目立つことが多い。
「トゲだらけで伸び放題」と感じる柚子は、この徒長枝が何本も立っているケースがほとんどですね。
自分で切って失敗するケースで多いのが、伸びた枝の先だけを切りそろえること。
切ったすぐ下からまた勢いのある枝が何本も出て、翌年さらに混んでしまいます。
徒長枝は途中で切らず、付け根から間引くのが基本です。
前の年に鈴なりだったなら、隔年結果の可能性
「去年はとても取りきれないほど実ったのに、今年はさっぱり」。
これは隔年結果かもしれません。
たくさん実をつけた年は、木がその実を育てることに力を使い切ってしまい、翌年の花が少なくなります。
そのまま放っておくと、なる年とならない年が交互にくり返されることも。
対策は、実が多くついた年に早めに実を減らしてあげることと、収穫を遅らせすぎないことです。
実をいつまでも枝に残しておくと、そのぶん木が疲れやすくなります。

10〜12月の収穫後すぐに切らず、2〜3月に剪定する理由
収穫が終わってすぐ切ると、寒さで木が弱りやすい
お客様から聞かれるのが「実を取り終えたら、そのまま切ってしまっていいですか?」という質問です。
気持ちはよく分かります。
脚立を出したついでに切ってしまいたいですよね。
ただ、柑橘の仲間は寒さに強い木ではありません。
柚子は柑橘の中では寒さに強いほうですが、真冬の前に枝を大きく減らすと、切り口や枝の内側に寒風が当たって傷みやすくなります。
収穫が終わる10〜12月は「取るだけ」にして、切るのは寒さのピークを越えた2〜3月まで待つ。
これが私たちのおすすめです。
2〜3月は芽が動き出す前で、花がつく枝を残しやすい
柚子の花は、前の年に伸びた枝から春に出てくる新しい枝につきます。
芽が動き出す前の2〜3月に剪定すれば、実をつけそうな枝を残しながら、混んだ枝や徒長枝だけを整理できます。
この時期に切るのは、枯れた枝、内側へ向かう枝、ほかの枝と交差している枝、真上に立つ徒長枝。
外側の形を刈り込んでそろえるのではなく、本数を減らして中に光を入れるイメージです。
トゲのある柚子を自分で切るときの安全対策
柚子のトゲは硬くて鋭く、軍手だと簡単に突き抜けます。
自分で切るなら、次の準備はしておいてください。
- 厚手の革手袋を使う(軍手は不可)
- 長袖・長ズボンで肌を出さない
- 保護メガネをかける(枝が跳ねて顔に当たりやすい)
- 切った枝は、トゲが刺さらないよう束ねて袋を二重にする
脚立の上でトゲのある枝をかき分けるのは、思った以上に危ない作業です。
体をひねった拍子に手が枝に当たって、そのままバランスを崩す。
これ、本当に多いんです。

植木屋さんに頼む目安と剪定料金
次のどれかに当てはまるなら、無理をせず植木屋さんに相談したほうが安全だと思います。
- 脚立に乗らないと上の枝に届かない
- トゲが密集していて、木の内側に手が入らない
- 台芽か柚子の枝か、自分では見分けがつかない
- 何年も手を入れておらず、どこから切ればいいか分からない
私たちお庭の便利屋トムズは、川口市を中心に、戸田市・蕨市・草加市・さいたま市南区・さいたま市緑区で庭木の剪定をお受けしています。
剪定は1本3,300円〜(税込)で、お見積りは無料です。
切った枝葉は回収してお持ち帰りしますが、量が多い場合は運搬・処分料(3,300円〜/量に応じて)を別途申し受けます。
どこに頼むにしても、見積りの時点で「処分費が含まれているか」「含まれていない場合はいくらか」を確認しておくと、あとで行き違いになりません。
10月のうちに相談して、剪定の日取りを2〜3月に決めておく、という段取りもできます。
よくあるご質問
Q. 実生の柚子は、剪定すれば早く実がなりますか?
A. 剪定だけで実がなる時期を大きく早めるのは難しいです。
むしろ強く切り詰めると勢いのある枝が増えて、花がつく状態から遠ざかることもあります。
混んだ枝を整理して日当たりを保ちながら待つか、早く収穫したい場合は接ぎ木の苗に植え替えることを考えてみてください。
Q. 10月に実を収穫するとき、ついでに枝を切ってもいいですか?
A. 実を取るときに、収穫の邪魔になる枯れ枝を少し外す程度なら問題になりにくいです。
ただ、枝の本数を大きく減らす剪定は、寒さが落ち着く2〜3月まで待つほうが木への負担が少なく済みます。
Q. 株元から出ている枝は全部切っていいですか?
A. 継ぎ目より下から出ていて、葉が3枚1組の形をしている枝は台芽なので、付け根から外してかまいません。
継ぎ目より上から出た枝は柚子の枝なので、残すか切るかは全体の混み具合で判断します。
見分けがつかないときは、写真を撮って相談していただくのが確実です。
Q. 毎年実がなる年とならない年が交互に来ます。直せますか?
A. 隔年結果は、実がたくさんついた年に実の数を減らすことで、差を小さくできる場合があります。
あわせて2〜3月の剪定で枝の混みを整理し、木全体に日が当たるようにしておくと、花のつく枝を毎年確保しやすくなります。
川口市の住宅街の庭は建物の影になりやすいので、日当たりの確保は特に大事なポイントです。
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トップ写真:川口市・イイナパーク川口・めぐりの森(撮影:Souka Kinmei/CC BY 4.0/出典:Wikimedia Commons)