桜の枝先が「ほうき」のように固まって、そこだけ花が咲かない。それ、てんぐ巣病かもしれません
春、満開の桜を見上げたときに、ある枝だけ花がなく、緑の葉っぱだけが先に出ている。
その枝先には細い枝がぎゅっと集まって、ほうきや鳥の巣のような塊になっている。
よくご相談いただくのが、この症状です。
これは「てんぐ巣病」という桜の病気の可能性が高いです。
カビの仲間(タフリナ・ウィーズネリという菌)が枝の中に入り込み、その枝だけ細い枝をたくさん出させてしまいます。
塊の見た目が天狗の住む巣にたとえられたのが、名前の由来です。
川口市の住宅街でもよく見かけるソメイヨシノは、この病気にかかりやすい品種として知られています。
庭のシンボルツリーがソメイヨシノなら、一度は疑ってみてほしい病気なんです。

てんぐ巣病かどうかを見分ける手順|葉が落ちた秋〜冬がいちばん見つけやすい
葉が茂っている夏は、塊が葉に隠れてまず見つかりません。
意外と盲点。
落葉して枝だけになる秋から冬にかけてが、探しどきです。
手順1:冬の枝で「塊」と「こぶ」を探す
葉が落ちたら、木の下から枝先を順番に見上げていきます。
チェックするのは次の3つです。
- 細い枝が1か所からたくさん出て、ほうき状・鳥の巣状に固まっている
- その塊の付け根で、枝がぷくっと膨らんで「こぶ」になっている
- 塊の細い枝は、まわりの枝と比べて曲がりくねっている
付け根のこぶ。
ここが一番の目印です。
手順2:春の咲き方で確かめる
冬に「怪しいな」と思った枝は、春にもう一度見てください。
てんぐ巣病の枝は花がほとんどつかず、ほかの枝より早く小さな葉を広げます。
そして晩春ごろ、その葉が急に黒ずんでしおれ、葉の裏に白い粉のようなものが付くことがあります。
この白い粉が菌の胞子で、ほかの枝へ広がる元になると考えられています。
手順3:まぎらわしいものと区別する
冬の枝に丸い塊が見えたとき、お客様から聞かれるのが「ヤドリギや鳥の巣とどう違うの?」という点です。
ヤドリギは冬でも緑の葉をつけた別の植物なので、枝の色が違います。
鳥の巣は小枝を組んで乗せてあるだけで、桜の枝から生えてはいません。
桜の枝から直接、茶色い細枝が束になって生えていたら、てんぐ巣病を疑っていいと思います。
写真を送っていただければ、無料でお見積りします
お庭の木や生垣をスマホで撮って、LINEで送ってください。写真を見て、作業の内容と概算をお伝えします。
病気の枝は葉が落ちた11〜2月に、こぶごと元から切る理由
てんぐ巣病は、一度かかった枝が自然に治ることはありません。
塊のある枝には菌が残っていて、毎年同じ症状をくり返します。
放っておくと塊のある枝は数年のうちに枯れることが多く、その間に木全体の元気も落ちていきます。
この木は切りどきですね、と私たちが言うのは、葉が落ちて木が成長を休んでいる時期です。
長野県林業総合センターの技術資料でも、てんぐ巣病の枝は「成長休止期」に切るよう案内されています。
川口市あたりでは、だいたい11月下旬から2月ごろがその時期にあたります。
この時期に切る理由は3つあります。
- 葉がないので、塊とこぶの位置がはっきり見える
- 春の胞子が飛ぶ前に、菌の元を取り除ける
- 木が休んでいる時期なので、切ったときの負担が比較的少ない
切る位置は「こぶより幹側」
ここが一番大事です。
ほうき状の塊だけを切り取っても、付け根のこぶに菌が残っていれば、またそこから細い枝が出てきます。
根っこごと抜かないとまた生えてくる雑草と同じ理屈ですね。
先ほどの技術資料でも、こぶより幹側で切るよう示されています。
自分でやって失敗するケースで多いのが、「塊だけ落として満足してしまう」パターン。
翌年、同じ場所にまた塊ができてしまいます。
切り口には保護剤を塗る
桜は、切り口から腐れの原因になる菌が入りやすい木です。
太めの枝を切ったら、切り口に樹木用の保護剤(癒合剤)を塗っておきます。
公的な資料では、トップジンMペーストを塗る方法が紹介されています。
使うときはラベルを読んで、桜に使える製品か・使い方が合っているかを必ず確かめてください。
切り落とした病気の枝は、庭に積んでおかず早めに片付けます。
菌が付いたままの枝を置いておくのは、もったいない。

自分で切るか、植木屋さんに頼むかの目安
病気の枝が手の届く低い位置に1〜2本だけなら、ご自分で切ることもできます。
ただ、桜のてんぐ巣病は高い枝先にできることが多いんです。
| 比べる点 |
自分で切る |
業者に頼む |
| 向いている場所 |
地面に立ったまま、または低い脚立で届く枝 |
脚立の上で手を伸ばさないと届かない枝・屋根や電線の近く |
| こぶより幹側で切れるか |
枝の付け根まで手が届けば可能 |
高い位置でも付け根まで確認して切れる |
| 切り口の処置 |
保護剤を自分で用意して塗る |
作業の中で処置まで行う |
| 切った枝の片付け |
自治体のルールに沿って自分で出す |
回収して持ち帰り(量が多い場合は運搬・処分料が別途) |
| 費用 |
ノコギリ・保護剤などの道具代 |
トムズの場合、剪定1本3,300円〜(税込)・見積り無料 |
脚立の一番上に立って両手を離さないと届かない、太い枝を頭より上で切る、そんな作業になりそうなら無理はしないでください。
切った枝が思わぬ方向に落ちてきたり、体勢を崩したりと、ケガにつながりやすい場面です。
業者に頼むときは、見積りに切った枝の処分費が含まれているかどうかも確認しておくと安心です。
私たちお庭の便利屋トムズでは、切った枝葉は回収して持ち帰りますが、量が多い場合は運搬・処分料(3,300円〜/量に応じて)を別途申し受けます。
川口市・戸田市・蕨市・草加市・さいたま市南区・緑区で、「この塊、てんぐ巣病かな?」と迷ったら、冬の枝の写真を送っていただくだけでも見当はつけられます。

よくある質問
Q. 春や夏に見つけたら、冬まで待ったほうがいいですか?
基本は葉が落ちた11〜2月ごろに切るのがおすすめです。
ただ、塊が見つかった時点で場所を写真に撮ったり、枝に目印のひもを結んでおくと、冬に探す手間が省けます。
Q. 塊を切れば、木全体は元気になりますか?
病気の枝を取り除くことで、ほかの枝へ広がる元を減らせます。
ただ一度で全部なくなるとは限りません。
翌年の春にも咲き方を見て、残っている塊があれば次の冬にまた切る、という付き合い方になると思います。
Q. 切った枝は燃えるごみに出せますか?
出し方は自治体によって違います。
川口市にお住まいなら、市のごみの分け方・出し方のルールを確認してから出してください。
枝の長さや太さ、量に決まりがある場合があります。
Q. 薬をまけば切らなくても治りますか?
てんぐ巣病は、かかった枝そのものを取り除くのが対策の中心です。
薬だけで塊が消えるものではないので、まずは病気の枝を元から切ることを考えてみてください。
お庭のこと、まずはお気軽にご相談ください
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トップ写真:桜の木(撮影:掬茶/CC BY-SA 4.0/出典:Wikimedia Commons/トリミング・縮小して使用)