「もう届かないんです」——川口市で夏に増えるご相談
7月から8月にかけて、私たちのところに一番多く届くのがこの一言です。「植えたときは腰くらいだったのに、今は2階の窓を越えてしまって」。
これ、本当に多いんです。
川口市は住宅が密集しているエリアが多く、お隣との境界まで数十センチというお宅も珍しくありません。庭木が伸びれば、枝が越境します。落ち葉が隣の敷地に落ちます。電線に触れそうになることもある。だから「とにかく低くしたい」というご希望は、切実なものだと私たちも理解しています。
ただ、そのうえでお伝えしたいことがあります。8月に木を大きく低くする作業——いわゆる強剪定や芯止め(しんどめ)は、木にとってかなり危険です。
「じゃあ今は何もできないんですか」と聞かれます。そんなことはありません。今できることと、秋を待ったほうがいいこと。この線引きさえ分かっていれば、9月下旬からの本番に向けて、いい形で準備ができます。

8月の強剪定・芯止めをおすすめしない3つの理由
1. 幹焼け(樹皮が日焼けして枯れる)が起きる
木の幹は、葉っぱの傘の下で守られています。長年その状態で育ってきた樹皮は、直射日光に慣れていません。
そこへ真夏に大きく葉を落とすと、いきなり幹に日が当たります。真夏のアスファルト脇の気温を想像してもらうと分かりやすいかもしれません。樹皮の内側の組織が高温でやられて、しばらくすると縦にひび割れ、その部分だけ枯れ込む。これが幹焼けです。
特にモミジ、カエデ、サルスベリ、ヒメシャラのような樹皮の薄い木で起こりやすい。一度焼けた部分は元に戻りません。翌年から明らかに樹勢が落ちます。
2. 木の「貯金」を真夏に使い果たさせることになる
夏の葉は、木にとって稼ぎ頭です。光合成で作った養分を、これから秋にかけて根や幹に貯めていく——その一番大事な時期に葉を大量に取ると、木は貯金ができないまま冬に入ります。
結果どうなるか。翌春の芽吹きが弱くなります。「去年切ってもらってから、なんだか元気がなくて」というご相談の何割かは、これが原因だと思います。
3. 切り口から腐朽菌が入りやすい
高さを下げるということは、太い枝や幹を切るということです。直径5cm、10cmという切り口ができる。
この切り口が塞がるまでには時間がかかります。夏は高温多湿でカビや腐朽菌がもっとも活発な季節。切り口から菌が入り、内部が空洞化していくケースを現場で何度も見てきました。数年後に幹の中がスカスカになって、台風で折れる。そこまで行くと、もう剪定では対応できません。
じゃあ今、何ができるのか
8月に手を出していいのは、葉の総量をほとんど減らさない「軽い枝抜き」です。
- 内側に向かって伸びている枝を根元から抜く
- 絡み合っている枝の、どちらか一方を落とす
- 枯れ枝の除去
- お隣に越境している枝だけをピンポイントで詰める
- 足元から出ているひこばえ(幹の根元から出る細い枝)を掻く
目的は「風の通り道を作ること」。混み合った枝を透かしてやると内部の湿気が抜けて、夏場に発生しやすいカイガラムシやうどんこ病の予防にもなります。木の体力を削らずに済む範囲の作業、と考えてもらえればいいと思います。
越境枝への対応も、この範囲でできることがほとんどです。お隣とのトラブルは待ってくれませんから、そこは今のうちに整理しておく。全体の高さを下げるのは、涼しくなってから。この二段構えが、川口市のような密集地では現実的な進め方だと私たちは考えています。

樹種ごとの、本格作業の適期
- 常緑広葉樹(キンモクセイ、カシ、シマトネリコ、モッコクなど)……9月下旬〜10月中旬。暑さが落ち着いて、寒さが来る前。ここが年間で一番いい窓です
- 落葉樹(モミジ、ハナミズキ、サクラなど)……12月〜2月の葉が落ちた休眠期。枝ぶりが全部見えるので、高さを決める作業に向いています
- 針葉樹(マツ、コニファー、スギ、ヒノキ)……10月〜11月。マツのもみあげはこの時期です
ひとつ注意を。針葉樹の芯止めは、原則やり直しがききません。てっぺんを切ると、そこから上へは伸びなくなります。コニファーで「思ったより切られてしまった」というご相談を受けることがありますが、これは元に戻せない作業です。だからこそ、どこで止めるかを事前に決めておく必要があります。
広葉樹は逆で、切ってもまた伸びます。ただし切り口の下から徒長枝がまとめて立ち上がるので、放っておくと2〜3年で元の高さに戻る。低く保ちたいなら、その後の年1〜2回の維持剪定とセットで考えるのが正解です。
高くなった庭木を低くする剪定の費用相場
高さを下げる作業の費用は、ほぼ「樹高」で決まります。理由はシンプルで、高くなるほど作業の足場が変わるからです。
| 樹高 |
1本あたりの費用目安 |
作業の方法 |
目安時間 |
| 3m未満 |
3,000〜5,000円 |
脚立で対応可能 |
30分〜1時間 |
| 3〜5m |
6,000〜12,000円 |
大型脚立・二連はしご |
1〜2時間 |
| 5〜7m |
15,000〜25,000円 |
登攀作業/高所作業車 |
2〜4時間 |
| 7m以上 |
個別見積り |
ロープワーク・重機検討 |
半日〜 |
金額はあくまで一般的な目安です。3mの松を1本、丁寧に整えると私たちの現場でだいたい2時間前後。同じ3mでも、放置年数が長くて枝が暴れている木は倍かかることもあります。
これとは別に必要になるのが処分費です。高さを下げる作業は枝葉の量が一気に増えます。軽トラ1台分で3,000〜8,000円程度が相場。見積りを取るときは、ここが込みか別かを必ず確認してください。「安いと思ったら処分費が別だった」というのは、よくある行き違いです。
あと、隣家との距離が近い川口市の現場では、養生費や搬出経路の確保で追加が出ることもあります。私たちは見積りを無料でお受けしていますので、金額の内訳まで見てから判断していただければと思います。

自分でやって失敗するケースで、いちばん多いのは
先日、川口市内の住宅街で伺ったお宅がまさにこれでした。
1階の屋根を越えたキンモクセイを、ご主人が脚立に乗って自分で詰めた。ところが上のほうに手が届かず、届く範囲だけをぶつ切りにした状態で止まっていました。結果、真ん中がぽっかり空いて上だけ茂った、傘のような形に。
「どうにかなりませんか」と。
形を整え直すこと自体はできます。ただ、一度ぶつ切りにした枝は、その位置から何本も徒長枝を出すので、自然な樹形に戻すには2〜3年かかります。これは技術の問題ではなく、木が枝を作り直す時間の問題です。
自分でやって失敗するケースで多いのは、大きく分けて3つ。
- 途中で切る……枝の途中でぶつ切りにすると、そこから徒長枝が束で出ます。切るなら枝の分かれ目まで戻す
- 脚立の設置……庭は地面が柔らかい。脚立が沈んで傾きます。高所からの転落事故は、実は数メートルの高さで起きています
- 切る順番……太枝は一気に切ると、自重で樹皮が裂けて幹まで剥がれます。三回に分けて落とすのが基本です
3mを超えたら、無理をしないでほしい。これは営業ではなく、現場を見てきた者としてのお願いです。
よくあるご質問
Q. どうしても8月中に低くしたい事情があります。無理ですか?
枝が電線に触れている、隣家の屋根や車に当たっているといった安全上の理由がある場合は、その部分だけを優先して対応します。木への負担は残りますが、危険を放置するほうがリスクが大きいためです。全体の高さを下げるのは秋に回す、という分け方をおすすめしています。
Q. 一度低くしたら、その高さを保てますか?
広葉樹は年1〜2回の維持剪定が必要です。何もしなければ、切ったところから徒長枝が伸びて2〜3年で戻ります。逆に、一度形を作ってしまえば以降の作業は軽くなるので、費用も落ち着いていきます。針葉樹は芯止め後にそれ以上高くなりませんが、横幅は広がります。
Q. 秋の予約は、いつごろ取ればいいでしょうか
9月下旬から11月は剪定業界の繁忙期です。年内に作業したい場合は、8月中に見積りだけ済ませておくと日程が組みやすくなります。見積り自体はいつでも無料でお受けしています。
Q. 隣に越境している枝は、勝手に切ってもらえますか?
ご自身の敷地から出ている枝であれば、所有者であるお客様のご依頼で作業できます。作業中に隣地へ立ち入る必要がある場合は、事前にひと声かけていただくと当日がスムーズです。川口市のような住宅密集地では、この一手間がその後のご近所関係を左右します。
Q. 松やコニファーも8月は避けたほうがいいですか?
はい。針葉樹は特に樹脂の流出が多くなり、切り口から樹液が止まらなくなることがあります。マツのもみあげは11月〜12月、コニファーの高さ調整は10月以降が無難だと思います。
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