8月に入ると、モミジやカエデの枝が思いのほか伸びて、窓に当たったり隣地にはみ出したりしてきます。「この際まとめて切ってしまおう」——川口市のお客様からも、この時期いちばん多くいただくご相談です。
ただ、モミジ・カエデに関しては、そこをぐっとこらえていただきたい。夏に強く切ると、葉が茶色く焼けたり、細い枝が先から枯れ込んだりすることがあるからです。私たちが現場でご案内しているのは「夏は軽い透かしまで、骨格を整える本剪定は落葉後に回す」という時期分けの考え方。今回はその理由と、落葉後の適期・費用の目安をまとめてお伝えします。
8月にモミジ・カエデを強く切ると、なぜ葉焼け・枝枯れを招くのか
理由は大きく3つあります。
ひとつめは日差しの問題。モミジの外側の葉は、内側の細い枝や幹にとっての日除けです。夏にバサッと枝葉を落とすと、それまで日陰にいた葉や樹皮がいきなり直射日光にさらされる。人間でいえば、真夏に急に肌を出したようなものかもしれません。数日後、内側の葉のふちから茶色く縮れてくる——これが葉焼けです。
ふたつめは栄養の問題。夏は木が葉で光合成をして、翌年のためのエネルギーを蓄えている真っ最中。その葉を大量に取ってしまうと、木は貯金を切り崩しながら夏を越すことになります。体力の落ちた木は、細い枝から先に見切りをつける。これが枝枯れです。
みっつめは切り口。モミジ・カエデは、松やカシに比べて切り口がふさがりにくい樹種です。高温多湿の8月は木を腐らせる菌も活発ですし、傷口はカミキリムシなどの害虫にとっても弱点になりやすい。太い枝を落とすなら、乾いた冬のほうが安全だと私たちは考えています。
先日、川口市内のお宅で「去年の夏に自分で刈り込んだら、枝先が枯れて紅葉もまだらになった」というモミジを拝見しました。刈込ばさみで生垣のように表面を刈られていて、断面が全部茶色。こうなると回復までに2〜3年かかります。悪気なくやってしまう、これ、本当に多いんです。

夏に手を入れるなら「軽い透かし」まで
とはいえ、8月に何もできないわけではありません。枝を減らすのではなく、混んだところを間引いて風を通す——この範囲なら夏でも問題ないと考えています。
具体的に抜いていいのはこのあたり。
- 真上や真横にビュンと伸びた徒長枝(とちょうし・勢いだけの若い枝)
- 枝どうしが交差してこすれている絡み枝
- 樹冠の内側に向かって伸びた内向き枝
- 幹の根元から出たひこばえ、幹の途中から吹いた細い枝
コツは、枝先をチョキンと切り詰めるのではなく付け根から抜くこと。枝の途中で切ると、その切り口の下から新芽が2〜3本まとめて噴き出して、翌年もっと混みます。逆効果になるんですね。量の目安は全体の1〜2割まで。切ったあとに「透けたな」ではなく「言われないと気づかないな」くらいがちょうどいい。
作業は朝夕の涼しい時間に。切ったあとは根元にたっぷり水をあげてください。夏のモミジは、思っている以上に水を欲しがります。
骨格を整える本剪定は落葉後(11〜1月)が適期
枝ぶりを作り直したい、樹高を下げたい、太い枝を落としたい。こうした本剪定は落葉後です。理由はシンプルで、葉がない冬は枝の一本一本が全部見えるから。夏のモミジは緑の塊で、どこに枝が走っているのか外からは判断できません。骨格を整えられるのは冬だけ、と言ってもいいと思います。
もうひとつ大事なのが樹液。モミジ・カエデは2月頃から根が動きはじめ、幹の中を水分が勢いよく上がりはじめます。この時期に太い枝を切ると、切り口から樹液が止まらなくなり、木を弱らせる原因に。だから「落葉してから、樹液が動く前まで」が勝負。川口市を含む埼玉南部なら、紅葉が終わって葉が落ちきる11月下旬から1月中を目安にしています。
| 時期 |
できること |
避けたいこと |
| 7〜8月 |
徒長枝・絡み枝の軽い透かし(全体の1〜2割) |
強剪定・刈り込み。葉焼け、枝枯れの原因に |
| 9〜10月 |
はみ出した枝の部分的な手直し |
大きな切り戻し。紅葉前に体力を削らない |
| 11〜1月 |
本剪定。樹高調整、太枝の整理、骨格づくり |
特になし(真冬の厳寒日は切り口が傷みやすい) |
| 2〜4月 |
基本は手を入れない |
太枝の切除。樹液が止まりにくくなる |
| 5〜6月 |
新芽が固まったあとの軽い間引き |
強い切り戻し |
つまり、いま8月に気になっている枝は「軽く抜いて夏をしのぎ、11月以降に本番」。二段構えが、モミジをいちばん傷めない進め方です。

川口市でモミジの剪定を業者に依頼するときの費用相場
気になる費用ですが、庭木の剪定は木の高さで料金が変わるのが一般的です。全国的に言われている目安はこのくらい。
- 3m未満の低木:1本あたり2,500〜5,000円程度
- 3〜5mの中木:1本あたり5,000〜12,000円程度
- 5m以上の高木:1本あたり10,000〜25,000円程度
庭のモミジは3m前後で仕立てられていることが多いので、この中では低木〜中木の価格帯に入ります。ちなみに私たちお庭の便利屋トムズでは、剪定は1本3,000円〜、お見積りは無料でお受けしています。
見積りを取るときに確認しておきたいのが、剪定料金以外の項目。切った枝の処分費、出張費、脚立や高所作業が必要な場合の追加費用——ここが含まれているかどうかで総額はけっこう変わります。「1本いくら」ではなく職人1人あたりの日当制で出す業者もあるので、木が何本もある場合はどちらが得か聞いてみるといいかもしれません。
もうひとつ、業者選びの小さな判断材料を。8月に「今すぐ強く切りましょう」とだけ言う業者は、少し慎重に見ていいと思います。樹種ごとの適期を説明したうえで、今やる分と冬に回す分を分けて提案してくれるかどうか。そこに庭木への向き合い方が出ます。

よくあるご質問
Q. 8月にどうしても切りたい枝があります。ダメですか?
隣地や道路にはみ出している枝、窓や電線に当たっている枝は、安全と近隣トラブルのほうが優先です。その枝だけ付け根から抜いてください。全体の刈り込みを我慢していただければ、部分的な処置で木が枯れることはまずありません。
Q. 春(3〜4月)に切るのはどうですか?
太い枝はおすすめしません。根が動きだして幹の中を水分が上がる時期なので、切り口から樹液が出続けてしまうことがあります。新芽が固まった5〜6月頃の軽い間引きなら大丈夫です。
Q. 大きくなりすぎたモミジを一気に低くできますか?
できますが、1回で詰めるのは避けたいところ。落葉期に2〜3年かけて段階的に下げるほうが、樹形も紅葉もきれいに残ります。急ぐと胴吹き枝が一斉に噴いて、かえって収拾がつかなくなるケースが多いです。
Q. 紅葉をきれいにするために、剪定でできることはありますか?
あります。紅葉の色づきには日当たりと昼夜の温度差が効くので、内側まで光と風が入るよう透かしておくと発色が揃いやすくなります。逆に枝が密集して内部が薄暗いままだと、外側だけ赤く、内側は茶色く落ちる、というムラが出やすいですね。
Q. 剪定の頻度はどのくらいが目安ですか?
川口市のような住宅地の庭であれば、落葉後の本剪定を年1回。それに加えて、夏に伸びすぎたときだけ軽く透かす、というリズムで十分維持できます。年2回入れれば、まず樹形は乱れません。
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