「秋のうちに切っておけば落ち葉が減る」——クスノキでは、そうならないんです
川口市でクスノキのご相談をいただくのは、決まって9月から11月にかけて。「そろそろ落ち葉の季節だから、その前に切っておきたい」というご依頼です。気持ちはよく分かります。ただ、ここで一つお伝えしておきたいことがあります。
クスノキは常緑樹です。秋に葉を落とす木ではありません。
では、あのおびただしい落ち葉はいつ出ているのか。答えは春、4〜5月。新しい葉が伸びてくるのと入れ替わりに、去年の古い葉が一斉に散ります。桜が終わったあたりから、赤茶けた葉がバサバサと落ちてくる。あれがクスノキの「落葉期」なんです。
つまり、9月に葉を減らす目的で枝を落としても、来年4月の落ち葉が消えるわけではない。切った分だけ木は春に新芽を吹きますから、葉の総量は結局戻ってくる。ここを知らずに秋の剪定を繰り返して、「毎年切ってるのに全然減らない」とこぼされる方、けっこういらっしゃいます。

クスノキを強く切るなら3〜6月。9月にできるのは「軽い透かし」まで
常緑樹には常緑樹の理屈があります。落葉樹のように、葉を全部落として眠っている冬に思い切って切る——という切り方が通用しません。クスノキは冬でも葉をつけたまま、細々と生きています。この時期に太い枝を落とすと、切り口を塞ぐ力が弱いまま寒さにさらされることになる。
私たちが強剪定を勧めるのは3〜6月です。理由は単純で、この時期のクスノキは萌芽力(ほうがりょく|切られた後に新しい芽を吹き返す力)が最も高いから。切ったそばから芽が動き出し、傷口も早く塞がります。クスノキはもともと芽吹きの強い木で、幹だけにしても脇から芽を出してくるほど。その力が戻ってくる時期に合わせて切る、というのが基本です。
秋にできること・できないこと
とはいえ「じゃあ9月は何もするなということか」と言われると、そうではありません。
- やってよい:混み合った枝を間引く軽い透かし、枯れ枝の除去、道路や隣家にはみ出した枝の先端を詰める
- やらないほうがよい:幹に近い太枝を落とす、樹高を一気に下げる、丸坊主にする
秋の透かしは、落ち葉を減らすためというより、風通しと日当たりを整えるための作業。内側の枝が蒸れると、カイガラムシやすす病(葉が黒くすすけたように汚れる病気)が出やすくなります。光と風を通してやると、それだけで木の調子は変わってくる。
よくご相談いただくのが「隣の家に枝が越境していて、今すぐどうにかしたい」というもの。これは季節を待つ話ではありません。ご近所トラブルのほうが優先です。その場合は必要最小限で詰めておいて、翌春に本格的な整理をかける——という二段構えでご提案しています。
大きくなりすぎたクスノキを低くする——一度では下ろしません
川口市の住宅地でも、庭木として植えられたクスノキが二階の屋根を越えてしまっているお宅は珍しくありません。成長の早い木ですから、十年も放っておくと手の届かない高さになる。
このとき、いきなり希望の高さまで一気に切り下げるのは避けたいところです。
理由は二つ。一つは、葉を大量に失った木がパニックのように徒長枝(とちょうし|細く長く暴れて伸びる枝)を吹くこと。枝が暴れれば翌年の手入れはもっと大変になります。もう一つは、太い切り口ほど塞がるのに時間がかかり、そこから腐朽菌(ふきゅうきん|木材を腐らせるカビの仲間)が入りやすくなること。幹の中が空洞化した木は、いずれ倒木のリスクになります。
私たちがやるのは、切り戻し先の枝を残す切り方です。主軸を落とすときに、その下にある横枝を新しい「頭」として残しておく。木は残された枝に力を回しますから、無秩序な徒長を抑えられます。高さを2〜3年かけて段階的に下げていく、という考え方。
「この木は切りどきですね」とお伝えするのは、まさにこういう状態になる手前のタイミングです。

自分でやって失敗するケースで多いのが
脚立の上から太枝にノコギリを入れて、枝の重みで途中から裂けてしまうパターン。クスノキの枝は見た目より重く、水分も多い。裂けると幹の樹皮まで縦に剥がれ、そこが腐りの入口になります。太い枝は切り口の手前で「受け口」を入れて、三回に分けて落とす——これが基本です。
そしてもう一つ。高所での作業は、落下事故のリスクがそのまま残ります。屋根や電線が近い場所、足場の取れない斜面。このあたりは、無理をせずお声がけいただければと思います。
川口市でクスノキの剪定を頼むときの費用の見方
費用でいちばん誤解されやすいのが、「木を切る料金」と「切った枝葉の処分」が別勘定になっているという点です。
クスノキは一本から出る枝葉の量がとにかく多い。軽トラック一台では収まらないことも普通にあります。私たちは切った枝葉・刈草・伐採木を回収してお持ち帰りしますが、量が多い場合は運搬・処分料(3,000円〜/量に応じて)を別途申し受けます。ここは最初の見積りではっきりお出しします。
業者を比較されるときは、見積書に処分費の欄があるかどうかを見てください。「一式」でまとめられていると、当日になって追加が出ることがあります。回収まで対応(処分料別途)なのか別途なのか、別途ならいくらからなのか。この一点を確認するだけで、あとの行き違いはだいぶ減ります。
| 時期 |
できる作業 |
木への負担 |
落ち葉への効果 |
| 3〜6月 |
強剪定・樹高を下げる・透かし |
小さい(芽を吹き返す力が高い) |
その年の落葉直後に整えられる |
| 7〜8月 |
軽い透かし・徒長枝の整理 |
中(暑さで弱りやすい) |
限定的 |
| 9〜11月 |
軽い透かし・越境枝の処理・枯れ枝除去 |
中(強く切ると回復が遅い) |
翌春の落ち葉は減らない |
| 12〜2月 |
枯れ枝除去程度 |
大きい(傷口が塞がりにくい) |
ほぼなし |
剪定は1本3,000円〜、お見積りは無料です。木の高さ・枝の張り・周囲の作業スペースで金額は変わりますから、現地を見せていただいてからのご案内になります。

クスノキのよくあるご質問
Q. 落ち葉を本当に減らす方法はありますか?
葉の総量そのものを減らすには、樹冠(じゅかん|枝葉が広がっている部分全体)を計画的に小さくしていくしかありません。3〜6月に少しずつ切り下げて、木のサイズを庭に合う大きさに落ち着かせる。数年かかる話ですが、これがいちばん確実だと思います。秋の一回の剪定では解決しない、というのが正直なところです。
Q. クスノキは根が張ると聞きました。伐採したほうがいいでしょうか?
成長の早い木なので、根が塀や基礎を押し上げる事例はあります。ただ、いきなり伐採を決める必要はありません。高さを管理できていれば、根の勢いもある程度は落ち着きます。すでに塀にひび割れが出ているような場合は、伐採も含めて現地でご相談ください。なお、根っこごと抜かないとまた生えてきますので、切り株を残すかどうかも合わせてお決めいただくことになります。
Q. 9月に切ってもらっても意味がないということですか?
いえ、目的次第です。落ち葉を減らす目的なら効果は薄い。でも、隣地への越境を止める、風通しを良くして虫や病気を防ぐ、枯れ枝を落として落下を防ぐ——こうした目的なら、今やる意味は十分にあります。「何のために切るのか」をはっきりさせておくと、時期の判断も楽になりますね。
Q. 隣の家から枝を切ってほしいと言われました。どこまで切るべきですか?
境界線を越えている部分は、原則こちらで対応すべき範囲になります。ただ、越境枝だけをぶつ切りにすると木の形が片側だけ削げて不自然になりがち。全体のバランスを見ながら整えるのがおすすめです。川口市のように隣家との距離が近い住宅地では、越境が起きる前の段階で年一回のペースで見ておくのが結局いちばん安上がりです。
Q. 高い場所の枝でも対応できますか?
屋根を越えた高さのクスノキも扱っています。ただし電線が至近にある場合は、電力会社側の対応になる部分がありますので、現地確認の際に切り分けをご説明します。安全が確保できない状況で無理に作業することはありません。
まとめ
クスノキは常緑なのに春に葉を落とす、少し変わった木。だから「秋に切って落ち葉対策」という発想が、この木にかぎっては噛み合いません。
9月の今できるのは、風通しを整える軽い透かしと、越境枝・枯れ枝の処理。木を小さくしたい、高さを下げたいという話なら、萌芽力の戻る3〜6月に計画を立てて、数年かけて落ち着かせていく。急がば回れ、なんです。
川口市と近隣エリアで、クスノキの高さや落ち葉にお困りでしたら、まずは木の状態を見せてください。切るべきか、待つべきか。そこからお話しできればと思います。
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トップ写真:川口市・イイナパーク川口(撮影:Abasaa/パブリックドメイン/出典:Wikimedia Commons)