実家の庭、見に行けないまま夏を越していませんか
「川口市の実家が空き家になったけれど、自分は遠方に住んでいて年に一度帰れるかどうか」。私たちがご相談をいただく中で、いま一番増えているのがこのパターンです。
そして、ほとんどの方が最初に聞かれます。「立ち会えないんですが、それでもお願いできますか」と。
できます。というより、空き家の草刈りや剪定は立ち会いなしで進めるのが当たり前になってきました。私たちが川口市内でお受けしている空き家の管理も、半分以上はお客様が現地にいらっしゃいません。鍵の受け渡しと駐車の段取り、そして作業前後の写真確認。この3つさえ決めておけば、遠方からでも庭は回せます。
ただ、段取りを決めずに「とりあえずお願いします」で始めると、後からすれ違いが起きやすいのも事実。作業当日に敷地へ入れなかった、隣家との境界の枝をどこまで切るか判断できなかった、思ったより量が多くて費用が変わった——よくあるのが、この3つです。
この記事では、遠方の所有者の方が立ち会わずに空き家の庭を管理していくための具体的な段取りと、費用の見方を整理します。

放置した空き家の庭は、1年でどこまで荒れるか
まず現実の話から。
関東の平地では、5月から9月にかけての雑草の伸びが本当に速いんです。刈ったばかりの庭でも、梅雨に入ると1か月で30〜50cmほど。夏を丸ごと放置したセイタカアワダチソウやススキは、人の背丈を超えることも珍しくありません。先日、川口市内で1年半ぶりに草刈りに入ったお宅では、玄関までの通路が完全に見えなくなっていました。刈ってみたら飛び石が敷いてあった、という状態です。
庭木のほうも同じで、放っておくと枝は隣の敷地や道路へ伸びていきます。
ここが空き家で一番トラブルになりやすいところ。越境した枝は、お隣にとってはご自身では簡単に切れないものでした。2023年4月に施行された民法の改正で、催告しても所有者が対応しない場合などにはお隣が自分で切除できるようになりましたが、だからといって「切ってもらえばいい」で済む話ではありませんよね。人間関係の問題は残ります。
加えて、空家等対策特別措置法の改正(2023年12月施行)で「管理不全空家等」という区分ができました。草木が著しく茂っている状態も判断材料のひとつとされていて、市から勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れる可能性があります。実際にどう判断されるかは自治体ごとの運用によりますので、気になる方は川口市の空き家担当窓口に一度確認してみてください。
つまり、庭の管理は「見た目の問題」ではなくなってきているということです。
立ち会いなしで頼むときの3つの段取り
ここからが本題。実際にどう進めるかです。
1. 鍵をどう扱うか
庭だけの作業なら、そもそも家の鍵が不要なケースがかなりあります。門扉が開く、あるいは低い塀を跨いで入れる、勝手口側から回り込める。まずはここを確認してください。鍵を預けずに済むなら、それが一番トラブルの少ない形です。
門扉に鍵がかかっている場合は、次のいずれかになります。
- キーボックスを設置する——門柱や水道メーターボックスの近くにダイヤル式のボックスを付け、番号だけをお伝えいただく方法。番号は作業のたびに変えられるので、遠方の方に一番おすすめしています
- ご近所やご親族に預けてある鍵を使う——お隣に鍵を預けている方も多いです。この場合は「〇日に業者が来ます」と一言入れておいていただけると当日がスムーズ
- 作業日だけ郵送でお預かりする——回数が少ない場合はこの形も。ただ往復の手間と紛失リスクを考えると、継続するならキーボックスのほうが楽だと思います
南京錠を付け替えて番号錠にしてしまう方もいらっしゃいます。これも現実的な選択肢です。
2. 駐車スペースを先に伝える
意外と盲点。
川口市内は道が細い住宅地が多く、軽トラックを停める場所がないと作業そのものが始まりません。刈った草や切った枝を積んで運び出すので、車が敷地に近づけるかどうかで段取りが変わります。
お伝えいただきたいのは、この3点です。
- 敷地内に停められるか(カーポート、砂利のスペースなど)
- 停められない場合、前面道路に一時的に停めても支障がないか。学校の通学路にあたっていないか
- 近くにコインパーキングがあるか。ある場合はおおよその場所
ご存じない場合でも大丈夫です。私たちは事前に現地を下見して見積りを出しますので、そのときに確認します。ただ、所有者の方しか知らない情報——「隣の空き地は昔からうちが使わせてもらっている」「向かいの奥さんが車の出入りに敏感」といったことは、先に教えていただけると本当に助かる情報です。
3. 写真で「どこまでやるか」を決めておく
立ち会いなしで一番大事なのが、ここ。
庭の作業は、実は判断の連続なんです。この生垣はどこまで低くするか。奥の柿の木は残すか切るか。物置の裏の笹はどうするか。立ち会っていればその場で聞けますが、遠方だとそうもいきません。
ですので私たちは、見積り時の写真に番号を振って、作業範囲を先に文字にして共有しています。「①門から玄関までの草刈り、②南側生垣を高さ1.2mに揃える、③東側の越境枝を敷地内に収める」という具合です。LINEやメールで送って、そのまま返信で「②の生垣はもう少し低くしてほしい」と言っていただければ調整できます。
そして作業後。同じアングルで撮った写真をお送りします。ビフォーとアフターが同じ構図で並ぶと、遠方でも状態がはっきり分かるからです。ついでに「雨樋に土が溜まっている」「北側の外壁に苔が出ている」といった、庭以外で気づいたことも一緒にお伝えするようにしています。年に数回、他人の目が家に入ることの価値って、実はここにあるのかもしれません。

年2〜3回、いつ入れるのが効率的か
ここでよく聞かれるのが「年に何回やればいいですか」。
結論から言うと、空き家であれば年2回が最低ライン、近隣に迷惑をかけたくないなら年3回だと思います。毎月入れる必要はありません。
| 回数 | 入れる時期の目安 | 庭の状態 | 向いている方 |
|---|---|---|---|
| 年1回 | 夏(7〜8月) | 刈る直前は膝〜腰の高さ。秋以降にまた伸びて越冬 | 近隣と距離がある、周囲も空き地 |
| 年2回 | 初夏(6月)と秋(9〜10月) | 伸びきる手前で抑えられる。冬をきれいな状態で越せる | ほとんどの空き家。まずはここから |
| 年3回 | 5月・7〜8月・10月 | 常に「手が入っている家」に見える。1回あたりの草の量も減る | 売却・賃貸を検討中、隣家が近い |
ポイントは、最後の1回を秋に入れること。10月頃に刈っておくと、冬の間はほとんど伸びませんので、春先まできれいな状態が続きます。逆に夏に1回だけ刈って終わりにすると、9月から10月にまた伸びて、そのまま枯れ草として越冬することになります。枯れ草は火災のリスクにもなりますし、見た目にも「放置された家」の印象が強く出てしまうんですね。
庭木の剪定は、草刈りとは別のサイクルで考えます。落葉樹なら葉が落ちた冬(12〜2月)、常緑樹なら初夏か秋。年2〜3回の草刈りのうち1回に、剪定を合わせて入れるのが合理的です。1回の訪問でまとめたほうが、出張の手間が減る分だけ全体としても軽く済みます。
費用の見方——「処分費が込みか別か」で総額は変わります
お問い合わせの中で、私たちがいちばん丁寧にご説明しているのがこの部分です。
庭の作業の費用は、大きく分けて「作業料」と「刈った草や切った枝の運搬・処分料」の2つでできています。この2つを分けて見ないと、他社さんとの比較ができません。
私たちの場合、庭木の剪定は1本3,000円〜、見積りは無料です。切った枝葉・刈草・伐採木は回収して持ち帰りますが、量が多い場合は運搬・処分料(3,000円〜/量に応じて)を別途申し受けます。草刈りは面積と草の丈で作業料が変わりますので、現地を見てからのお見積りになります。
他社さんに相見積りを取られるときは、必ずこう聞いてみてください。
- この金額に、刈った草や枝の処分費は含まれますか。別なら、いくらくらいになりますか
- 出張費・駐車場代は別途かかりますか
- 当日に量が想定より多かった場合、金額はどう変わりますか。その前に連絡をもらえますか
この3つを確認しておけば、後から「聞いていた金額と違う」ということはまず起きません。特に空き家の庭は、写真だけでは草の量を見誤りやすいところ。私たちも下見をせずに金額だけお伝えすることはしないようにしています。
それと、遠方の方に一つお伝えしたいこと。荒れきってから頼むと、いちばん高くつきます。 膝下の草を刈るのと、腰から胸まで伸びた草を刈るのとでは、作業時間も出る草の量もまるで違うからです。量が増えれば運搬・処分料も上がります。年2回で回している庭と、3年ぶりに手を入れる庭。同じ広さでも、費用は数倍ひらくことがあります。

よくあるご質問
本当に一度も現地に行かなくて大丈夫ですか?
大丈夫です。実際、川口市内で管理させていただいている空き家のお客様の多くは、関西や東北にお住まいで、年に一度お盆に帰られるかどうか、という方々です。見積りの写真確認、鍵の段取り、作業後の報告写真。すべて電話・メール・LINEで完結します。ただし初回だけは、可能であれば所有者の方から近隣の一軒にご挨拶をいただけると、その後がスムーズだと思います。
支払いはどうすればいいですか?
作業完了の報告をお送りしたあと、お振込みでお願いしています。現地でのやり取りは発生しませんので、その点はご心配なく。
隣の家にはみ出した枝だけを切ってもらうことはできますか?
できます。むしろ、越境枝だけのご依頼は空き家では多いご相談です。お隣から連絡が来て初めて気づいた、というケースですね。ただ、はみ出している枝を敷地の境界でぶつ切りにすると、木の形が崩れて枝の切り口から傷みやすくなります。せっかく職人が入るのであれば、木全体のバランスを見て枝の付け根から抜いてあげたほうが、次に伸びるまでの期間も長くなりますし、木も傷みません。この木は切りどきですね、とお伝えすることもあります。
雑草が生えないようにする方法はありますか?
防草シートの施工が現実的な選択肢です。特に空き家で「今後何年も人が住まない」と決まっているなら、毎回の草刈り費用を積み上げるより、一度シートを敷いてしまったほうが結果的に安くなることがあります。上から砂利を敷けば見た目も落ち着きますし、5年10年という単位で見ると効いてきます。ただし、根が張ったままの多年草の上に敷いても抑えきれません。根っこごと抜かないとまた生えてきますので、シート施工の前には必ず根の処理が必要です。ここを省いた施工は、数年でシートが持ち上がって破れます。
草刈りと一緒に、庭木も見てもらえますか?
はい、同じ訪問でまとめて対応できます。空き家の場合は、伸びた枝が屋根や雨樋に触れていたり、隣地へ越境していたりすることが多いので、草刈りのご依頼をいただいた際は庭木の状態も一緒に見て、写真付きでご報告しています。そのうえで「今回は越境枝だけ」「来年まとめて剪定」といった判断をしていただければ大丈夫です。急かすことはしませんので、ご安心ください。
作業の様子を動画で見ることはできますか?
ご希望があれば、短い動画をお送りすることもあります。写真だけだと分かりにくい場所——庭の奥や家屋の裏側などは、動画のほうが伝わりやすいですね。遠慮なくおっしゃってください。
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